クラスリン及びリポソームによる分子系超構造の構築と新機能の探索
Project/Area Number |
07241248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉村 哲郎 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (30035472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 啓一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (60177607)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | クラスリン / リポソーム / 膜融合 / 両親媒性ペプチド / クラスリンバスケット / クラスリン被覆リポソーム |
Research Abstract |
蛋白質クラスリンは、pH7以上では基本単位トリスケリオンとして存在するが、pH7-6ではC_<60>等のフラーレン様の超構造・バスケットを、脱衣小胞が共存するとそれをバスケット構造が包接する超構造・被覆小胞を形成する。我々は、さらにクラスリンがpH6以下では凝集体を、リポソームが共存すると膜内分子集合体を形成し、そのリポソームとの超構造が膜融合能を獲得することを見出した。本研究においては(1)pH7-6において、高級及び巨大フラーレンひいてはナノチューブに匹敵する種々の形態をもつバスケットを、また、リポソームを用いて種々の形態のクラスリン被覆リポソームを、クラスリンより人工的に構築し、それらの物性を調べることにより新機能を探索する、(2)pH6以下において、リポソーム膜内におけるクラスリン分子集合体の分子形態及びクラスリン/リポソーム超構造の形態を探索、膜融合誘起及び制御機能との関連性を把握することを目的とした。本年度は主に、(2)に関する研究を推し進めた。 (1)まず、クラスリン/リポソーム超構造によって誘起される膜融合及び融合リポソームサイズについて調べた。その結果、高温や低イオン強度あるいは高脂質/蛋白質比では、膜凝集・膜融合レベルが低く融合リポソームサイズも小さいこと、低温や高イオン強度あるいは低脂質/蛋白質比では、膜凝集・膜融合レベルが高く、融合リポソームサイズが大きいことが判明した。 (2)(1)の融合リポソームサイズを規定する要因を探るため、次に、両親媒性ヘリックス形成が可能な主としてLys及びLeuの繰り返し配列からなるモデルペプチドを合成し、ペプチド/リポソーム超構造によって誘起される膜融合の融合リポソームサイズについて検討を加えた。その結果,酸性燐脂質を含むリポソームの場合、クラスリンの場合と同様、脂質/ペプチド比の増加に伴って融合レベル及び融合リポソームサイズが増大し、脂質/ペプチド比をさらに増加させると両者共減少するという結果が得られ、ペプチド/リポソーム超構造におけるペプチド解離状態の膜上密度が融合リポソームサイズを規定することが判った。 (3)以上の結果より、クラスリン/リポソーム超構造の形態と膜融合誘起機能との関連性を考察した。 今後膜融合過程におけるクラスリン/リポソーム超構造の形態の実態論的把握を行い、それを通じて、蛋白質による膜融合誘起機構の完全解明を目指す。また、(1)の研究課題、クラスリンバスケット及びクラスリン被覆リポソームの構築とその物性の検討及び新機能の探索をも精力的に進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)