スピルオーバー効果を利用したハイブリッド型高性能触媒の開発
Project/Area Number |
07242219
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 薫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011026)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 固体酸触媒 / 物理混合触媒 / ゼオライト / スピルオーバー / 水素化分解反応機構 |
Research Abstract |
本研究においては、担持金属触媒と固体酸触媒とを物理混合することにより調製したハイブリッド型触媒を用い、水素のスピルオーバー効果を利用するとともに、固体酸触媒として、反応物質とほぼ同等の細孔径を有し、静電効果などによる反応物の活性化、あるいは反応中間体の安定化を期待できるゼオライトを反応場とした活性選択性の優れた触媒反応システムの開発を目的とする。そのために、本年度においては加圧固定床流通式反応装置の製作を行い、ZSM-5、Y型ゼオライトなどの比較的大きな細孔径をゼオライトおよびシリカアルミナなどの酸触媒を用い、これらとシリカ担持貴金属触媒を物理混合した触媒と貴金属を直接固体酸触媒に担持した触媒を調製した。これらおのおのの触媒を用いて、ノルマルヘプタン、ノルマルヘキサンなどのアルカンの水素化分解反応と異性化反応およびキシレンの不均化反応について触媒反応試験を行った。その結果によると、固体酸触媒いずれにおいても、貴金属触媒を物理混合することにより活性および選択性の顕著な向上が観測され、これらについてはゼオライト単独での反応には観測されない水素の大きな共存効果が観測された。これは、貴金属触媒上で解離した水素が表面上を拡散することにより、酸点の性質を大きく変化させ活性の向上をもたらしたと考えられる。そこで、赤外吸収分光法を用いて、表面上に存在するプロトンの水素-重水素交換反応を観測したところ、活性の向上と交換反応活性が良く対応することを見い出した。このことから、水素のスピルオーバー効果が固体酸触媒上における各種の触媒反応に対して大きな影響を与えていることを実証した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)