窒素吸蔵性金属間化合物の表面状態と窒素分子の反応ダイナミックス
Project/Area Number |
07242245
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 金属間化合物 / 侵入型金属窒化物 / 窒素固定 / 窒素吸蔵媒体 / 固一気相反応 / 固体触媒 / アンモニア合成 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
本研究では、Ln_2Fe_<17>(Ln=希土類)を始めとする金属間化合物について、その窒化前後の表面状態とN_2分子解離活性とを金属間化合物の窒素吸蔵性と関連して検討し、化合物上に形成されると考えられる特殊反応場を特定することを目的としている。また窒素原子が吸着した状態を想定したエネルギー計算を分子軌道法に基づくクラスター計算の手法を用いて行い、N_2分子活性化の発現機構を明らかにすることも併せて行う。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.Ln_2Fe_<17>化合物の窒素吸蔵性 Ln_2Fe_<17>化合物をアンモニア気流中で一旦窒化し、得られた窒化物Ln_2Fe_<17>N_xHを_2気流中で処理することで、吸蔵された窒素の利用率を算出したところ、窒素はLn_2Fe_<17>一式量当り、すなわち×=〜7まで吸蔵され、また再びx=3まで可逆的に放出されることが明らかとなった。ここで、この際の窒素の利用率は、化合物の単位容量当り、標準状態での窒素ガスの体積として換算するとおよそ190km^3/m^3となり、通常の高圧容器のそれ(150km^3/m^3)を上回るものであった。また、吸蔵された窒素は再び水素と反応してアンモニアとして放出されることが明らかとなり、窒素の新しい有効利用サイクルとして大いに注目されるものであった。 2.α-FeおよびFe_4N上へのN_2分子の吸着特性 鉄はアンモニア合成触媒の主要成分であり、N_2分子の解離に対し高い活性を示す。しかし、鉄単独では触媒活性に持続性がなく、これは反応時に生成するFe_4Nが原因であると考えられる。そこで、α-FeとFe_4Nからクラスターを抽出し、これらが形成する表面モデルにN_2分子を吸着させ分子軌道計算を行ったところ、N_2分子はα-Fe表面により容易に吸着し、分子も解離し易くなることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)