Project/Area Number |
07242257
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉置 純 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10207227)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 半導体ガスセンサ / 硫化水素センサ / 酸化スズ / 酸化銅 / p-m接合 |
Research Abstract |
CuO-SnO_2系センサは、CuOのH_2Sに対する高い反応性とCuO(p型)-SnO_2(n型)間に形成されるp-n接合の消失、再生によりH_2Sを高感度、高選択的に検知できる。しかしながら、H_2S濃度がppmレベルまで小さくなると応答特性がやや低下する問題点がある。これを改善するには、CuO微粒子をSnO_2表面に高分散担持することや薄膜素子を採用することが有効であることがわかった。 CuOの高分散担持による低濃度H_2S検知特性の改善効果についてCuO-SnO_2間のp-n接合による電子的相互作用をXPSを用いて調べたところ、CuO担持量や担持方法によって相互作用の大きさが大きく変化することがわかった。すなわち、p-n接合のフェルミレベルはCuO担持量とともに連続的にシフトすること、ならびにCu錯体の固定化法により高分散担持したCuO-SnO_2試料では含浸法により調製した試料に比べて少ない担持量で大きなフェルミレベルシフトが得られること、がわかった。したがって、CuO微粒子がSnO_2表面に高分散した素子では、CuOが有効にp-n接合に関与しており、わずかなH_2Sにより効果的にp-n接合が消失して低濃度H_2Sに対して高い感度と大きな応答速度が得られるものと考えられる。 また、H_2SはCuOとの反応により消費されながら素子内部に拡散していくため、低濃度H_2Sの検知には薄膜化することが望まれる。薄膜素子は、金属極を備えた石英基板上にSnO_2ゾルをスピンコーティングすることにより20〜150nmの膜厚で作製した。膜厚が小さい方がH_2Sが素子内部にまで拡散しやすいため、低濃度H_2Sに対して良い応答特性を示した。 このようなCuO-SnO_2素子の改良により、0.1〜1ppmの極低濃度H_2Sを良好に検知できるセンサを開発した。
|