Project/Area Number |
07242262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北川 進 東京都立大学, 理学部, 教授 (20140303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 裕之 東京都立大学, 理学部, 助教授 (50221586)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 金属錯体高分子 / マンガン(II) / 鉄(II) / コバルト(II) / 銅(II) / クロラニル酸 / インターカレーション / 超高感度固体高分解能^<109>AgNMR |
Research Abstract |
本年度は、金属錯体高分子の合理的合成法の開発と、ゼオライト内にドープした金属錯体のキャラクタリゼーション手法としての超高感度固体高分解能^<109>AgNMR分光法の開拓を行った。 まず、二つの金属原子間に架橋して直線構造を与えうる配位子であるクロラニル酸(H_2CA)を用いて金属原子とCAとからなる無限1次元鎖状構造を実現し、次にこれら1次元鎖間を水素結合を活用して連結することにより、2次元シート状構造を有するマンガン(II)、鉄(II)、コバルト(II)、銅(II)の一連の金属錯体高分子の合成と単結晶化に成功し、X線解析により構造の詳細を明らかにした。さらに、この無限1次元鎖間にピラジン誘導体が挿入したインターカレーション型金属錯体高分子{[Cu(CA)(H_2O)_2](phenazine)}_n(2),{[Cu(CA)(H_2O)_2](2,5-Me_2pz)}_n(3),{[Fe(CA)(H_2O)_2](phz)}_n(4)の合成と構造解析にも成功した。これにより[Cu(CA)(H_2O)_2]_n および[Fe(CA)(H_2O)_2]_n chain 間に種々の分子の挿入が可能となり、酸化還元能を有する分子(例えばp-キノン、TCNQなど)の導入を行ないつつある。以上から、有機・無機ハイブリッド型遷移金属2次元四角型格子の一般的かつ合理的構築法が確立しつつあり、かつその層間に種々の機能性有機分子を取り込んだ新規金属錯体高分子物質を合成するための指針をも得ることができた。 また、ゼオライト内にドープした金属錯体高分子の分析手法として超高感度固体高分解能^<109>AgNMR 検出器を開発し、構造既知の一連の無機銀化合物のスペクトルを測定して、構造と化学シフトとの相関を明らかにした。さらに、分子内に異なる銀サイトを有する銀(I)クラスターを新規に合成し、その構造と^<109>AgNMR スペクトルを検討した。4核銀クラスター{[Ag_4(2-mpy)_4(PF_2O_2)_3][PF_6]}_n(2-mpy=2-mercaptopyridine)(5)は銀4原子とイオウ4原子とからなる八員環が重なり合ってチャネルを形成しており、4種の非等価な銀サイトを有している。(5)の^<109>AgNMRスペクトルでは3本のシグナルが強度比2:1:1で現れ、配位環境の微妙に異なる銀サイトを明確に識別できることが示され、金属種の新しい分析手法としての有用性が実証された。
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