Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
今後の光情報化社会においては有機材料やポリマーの種々の光物性を積極的に利用した光波マニュピレーションが重要になることから,本年度はその中で,「旋光性ポリマーの電場配向によるモード制御型光導波デバイスの開発」を主に研究した.そのため,先ず,光学活性基として1ーメントールを側鎖に導入した旋光性ポリマー; ポリメンチルメタクリル酸(PMtMA)を合成し,ロッド状サンプルにおけるその旋光能と伝搬損失を測定してPMtMAが青色波長域で大きな旋光能(19deg./cm)と低伝搬損失(0.2dB/cm以下),非複屈折性を有し,本研究に利用可能なことを明らかにした.次いで,このPMtMAをコア層,基板に溶融石英ガラスを用いる3層スラブ型導波路を構成し,導波路内の光波伝搬を理論的に解析した.その結果,旋光性ポリマー導波路中ではTE-TMモード間の結合を生じ,変換効率50%を越すモード変換動作が容易に得られること,その効率改善には10^<-6>〜10^<-5>の微小複屈折導入による位相整合が必要であることなどを明らかにした.これらの理論結果を基に実際の素子作成を行い,プリズム結合でHe-Cdレーザ光(波長λ=441.6nm)を導波したときのTE_0-TM_0モード変換特性を測定した.その実験結果は理論値によく一致し,位相不整合ながら変換効率60%近いモード変換動作が初めて得られた.さらに,微小複屈折導入による位相整合動作の実験的検討として素子の電界配向処理(ポーリング)を試み,モード変換効率の改善が実際に可能であることも明らかとなった.このTE-TMモード変換器は従来の異方性結晶や磁気光学結晶を用いるものに比べて素子作成が極めて簡単かつ安価という特徴を有する.以上の成果は2件の国際会議,日本学術会議,2件の国内学術講演会で発表し,論文誌Optical Reviewに掲載可となっている.
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