Project/Area Number |
07250217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
高久 洋 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50101267)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | RNA / RNAの特異的切断反応 / 二重鎖構造 / 非イオン界面活性剤 / 一価のカチオン |
Research Abstract |
大腸菌に感染したバクテリオファージT4のtRNA前駆体であるp2Sp1RNA分子の切断部位はヘアピン型構造を形成し、UA、CA間で切断され、しかも一価のカチオン(NH4^+)と非イオン界面活性剤が切断反応に対して要求される。この切断反応に関して、その切断部位、またはRNAの二次構造に不明な点が多いことから、我々は実際にp2Sp1RNA分子の切断部位近傍のヘアピン型構造RNAを化学的手法で構築し、そのRNAの切断反応の解析をしてきた。本切断反応は当初考えられていたヘアピン型構造を要求することなく、一本鎖RNAでもNH4^+と非イオン界面活性剤が存在すれば、U-A、C-A間で位置特異的に切断反応が起こることを明らかにした。また、アデノシン6位のアミノ基もこの切断反応に必要な官能基である。さらに、ステム部分や小さな内部ループは切断反応を起こりにくくしていることが明らかとなった。つぎに、RNA13mer(GUUUC-GUACAAAU)のNMRスペクトル測定によりヘアピン構造をとることなく、二重鎖を形成していることがわかった。一方、RNA13merの最適切断温度である37℃ではイミノプロトンのシグナルは認められなかった。すなわち、RNA13merはヘアピン構造を形成することなく、二重鎖を形成しているものと考えられる。そして、この二重鎖RNAを非イオン界面活性剤が一本鎖RNAへと変換し、U-A、C-A間で位置特異的に切断反応が起こるものと思われる。さらに、RNAの切断部位のアデノシン6位のアミノ基の効果により詳細にするために、修飾物質をAのかわりに導入し、切断反応を試みたところ、dA、A、Tuらに切断反応が認められた。このことから、アデノシン6位のアミノ基がこの切断反応に必須であることが明らかとなった。しかし、アデノシンの2′-水酸基はこの切断反応には要求されることがないことから、金属イオンにより切断されるとされているRNA酵素とは異なる切断メカニズムによりその切断反応が進行しているものと思われる。また、特に興味ある事実としては、切断部位に導入した^<br8>Aが切断反応を阻害することから、RNAの切断部位のアデノシンはanti型構造が要求されることが明らかとなった。 以上、本切断反応に要求されるRANの構造については解析することができたが、非イオン界面活性剤とRNAとの相互作用およびアデノシン6位のアミノ基の機能についてはまだ不明の点があり今後さらに検討が必要とされる。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)