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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1)耐塩性ラン藻(Aphanothece halophytica)の光エネルギー変換効率の波長依存性をPASを用いて測定したところ,光化学系Iが主要に働く波長域の光エネルギー変換効率は,高塩濃度の方が高いことが明らかになった。また,DCMUにより光化学系IIからの電子の流入をブロックした条件での光化学系Iへの電子の流入量は,塩濃度が高いほど多くなることが明らかになった。光化学系I,チトクロムc-553,NADHデヒドロゲナーゼ蛋白質の蓄積量が増加するが,フィコビリゾーム含量はやや低下した。以上の結果は,高塩濃度下で循環的電子伝達活性が高いことを示しているが,これらについては論文として発表した。 2)耐塩性ラン藻のチラコイド膜の電子伝達活性は,培養条件により耐塩性が異なった。チラコイド膜の光化学系II活性は,このラン藻が蓄積する濃度のベタインで保護された。チラコイド膜のNADPHを経る光化学系Iの還元活性は,高塩濃度で培養したラン藻から単離したチラコイド膜の方が高かった。 3)ベタイン合成遺伝子を導入した形質転換ラン藻(Synechococcus sp.PCC7942)のチラコイド膜では,NADPHを経る光化学系Iの還元活性が高いことが示された。 4)シアノバクテリア(Synechocystis sp.PCC6803)のNADHデヒドロゲナーゼ遺伝子の欠損株は,wild 型と比較して塩ストレス適応能が低下することが明らかになったが,このときmutantの光化学系I,光化学系II活性には大きな変化は見られなかった。塩ストレス適応能の低下は,NADHデヒドロゲナーゼ蛋白質の欠損による循環的電子伝達活性の低下か,光化学系I以降の部位低下によるものと思われる。
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