植物における活性酸素耐性酵素遺伝子導入による環境適応の分子機構
Project/Area Number |
07251218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
重岡 成 近畿大学, 農学部, 教授 (80140341)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 活性酸素 / フルクトース1,6-ビスホスファターゼ / グツセルアルデヒド3ーリン酸デヒドロゲナーゼ / タラーゼ-ペルオキシダーゼ / カタラーゼ / ラン藻 / 形質転換タバコ |
Research Abstract |
本研究では1)SynechococcusPCC7942カタラーゼ-ペルオキシダーゼ(CPX)遺伝子およびチオール酵素(FBPase,GAPDH)遺伝子の解析および発現系の確立2)カタラーゼ(カタラーゼ-ペルオキシダーゼ)遺伝子(大腸菌:KatEおよびCPX)およびチオール酵素(FBPase,GAPDH)遺伝子のタバコへの導入および形質転換植物の環境ストレスに対する応答機構の解析を目的とする。 (1)S.7942のカタラーゼ-ペルオキシダーゼの分子的性質 CPX遺伝子は2160bp、720残基のアミノ酸からなり、推定分子量79.9kDaは精製酵素のSDS/PAGEのそれと一致した。アミノ酸配列は既報の原核生物のCPXと53〜65%の相同性を示し、ヘム結合に関与するproximalおよびdistalのHis領域も保存されていた。5´上流領域にはH_2O_2により誘導を受けるoxyRタンパク質の結合領域と類似した認識配列が認められた。pET3aベクターによる発現系も確立した。 (2)KatE遺伝子のタバコへの導入 pBI101ベクターにトマトrbcSとKatEを連結し、プラスミドの構築を行った。遺伝子導入はアグロバクテリウムを用いた。その結果、7つの形質転換植物が得られ、カタラーゼは葉緑体に発現していた。T1においてリ-フディスク法によるパラコート耐性を比較したところ、明らかに転換植物に耐性が認められた。 (3)S.7942のFBPaseアイソザイムの分子的性質 FBPaseアイソザイム(FI,FII)はそれぞれ40kDa,37kDaの同一サブユニットからなる4量体であった。FII遺伝子は339アミノ酸をコードし、既報のFBPaseと40〜45%の相同性を示した。FI遺伝子は356アミノ酸をコードし、典型的なFBPaseとほとんど相同性を示さず、S.leopoliensisのFBPaseの内部アミノ酸と高い相同性を示した。pKP1500ベクターによる両遺伝子の発現系も確立した。両タンパク質より作製した抗体はそれぞれ特異的であり、交差反応を示さなかった。また両抗体とも動植物由来のFBPaseと反応しなかった。 (4)S.7942のGAPDHの分子的性質 GAPDHは41kDaの同一サブユニット4量体からなる。GAPDH遺伝子は380アミノ酸をコードし、その配列は既報の酵素と60〜70%の相同性を示した。pET3aベクターによるGAPDH遺伝子の発現系を確立し、リコンビナント酵素も精製した。 (5)FBPaseアイソザイムおよびGAPDHのH_2O_2耐性 Euglena, Chlamydomonas葉緑体およびラン藻より調製したチオール酵素はH_2O_2に対して耐性であった。今回、S.7942のFBPaseのFIとGAPDHの精製酵素およびFBPaseFIIとGAPDHのリコンビナント精製酵素に対してH_2O_2処理(10^<-3>〜10^<-5>M)を行い、活性への影響を検討した。その結果、いずれの場合も1mMH_2O_2でも活性を80〜100%保持していた。また、藻類チオール酵素は高等植物葉緑体のそれと異なり、ほとんど光活性化を受けなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)