Project/Area Number |
07252201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 菊郎 北海道大学, 医学部, 助教授 (70091486)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 小脳片葉 / 垂直前庭動眼反射 / 垂直半規管 / プルキンエ細胞 / 眼球速度 / 覚醒ネコ / 覚醒サル / 視線速度 |
Research Abstract |
垂直・回旋眼球運動の発現遂行に対する片葉の関与を調べるため、1)覚醒ネコで垂直方向の視覚刺激と前庭刺激の干渉時の片葉Purkinje細胞活動を解析した。その結果は覚醒サルで知られる視線速度Purkinje細胞の応答特性とは異なったので、更に2)覚醒サルに眼球運動課題を訓練し、垂直眼球運動時の片葉Purkinje細胞活動を記録解析した。結果:1)pitch回転に応答した覚醒ネコ片葉Purkinje細胞に対し、眼前に投影した視覚パターンをpitch回転信号により同期させ、垂直方向へpitch回転と同相或いは逆相に正弦波上に同振幅で動かした時のPurkinje細胞応答を眼球運動応答と比較した。Purkinje細胞応答の振幅と眼球速度との間に正の相関を認め、これらPurkinje細胞応答には眼球速度成分が含まれることが明らかになった。これらPurkinje細胞に対し、前庭回転刺激を種々の平面で与えて、応答の最適方向を求めると、下向きの視運動性眼球運動時に発射を増加したPurkinje細胞の大多数は後半規管から興奮性入力を受け、逆に、上向きの視運動性眼球運動時に発射を増加したPurkinje細胞は前半規管から興奮性入力を受けた。(2)訓練した覚醒サルを用い、垂直或いは水平回転刺激とspot追跡刺激との干渉時のPurkinje細胞応答を眼球運動応答と比較した。視線速度Purkinje細胞の性質をもつ応答がpitch回転時にも認められた。しかしこれらとは別に、視線方向に対応せず、結果として生ずる垂直眼球運動の方向と一致して発射を増加するPurkinje細胞が認められた。 考察:視線の方向とは異なり、垂直眼球速度成分をもつPurkinje細胞が覚醒ネコでもサルの片葉領域でも存在したこと、更に前回報告したように覚醒ネコで片葉の不活性化が前庭動眼反射の垂直成分を選択的に障害したことは、片葉が半規管或いは視覚入力に対し、垂直眼球運動を形成する過程に関与することを示唆する。
|