近見反応の大脳内階層的情報処理機構についての研究(3)
Project/Area Number |
07252209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
板東 武彦 新潟大学, 医学部, 教授 (50029534)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 大脳 / 視覚領 / 眼球運動 / 近見反応 / 輻輳 / 電気生理学 / 神経生理学 / 視覚・運動関連 |
Research Abstract |
近見反応は輻輳運動・眼の焦点調節・瞳孔運動からなる複合運動であり、視覚奥行き情報を得るために必須の役割を果すと共に環境の変化に応じて適応的に変化する.我々はネコ高次視覚領の1つ、外側シルビウス上領(LS皮質と略す)が近見反応と関わることを生理学的方法(脳内微小刺激、ニューロン活動記録、脳内局所破壊)により示した.眼球運動はサーチコイル法を用いて記録した. (1)LS皮質の微小刺激で輻輳運動・焦点調節・縮瞳が誘発され、各々最適部位が異なることからこの皮質内での機能分化が示唆された.誘発輻輳運動の潜時に2要素が区別された.短潜時要素は左右対称であるが、長潜時要素は刺激と対側の運動が優位であり、前者は運動関連、校舎は視覚関連と考えられた.ともに尾側部皮質からの誘発運動が、吻側部誘発運動より潜時が短かかった. (2)LS皮質内での局所的破壊により、輻輳運動の振幅・速度、焦点調節応答振幅が減少した.片側破壊では輻輳運動の変化は非対称的で、破壊と同側成分が相対的に大きくなった. (3)輻輳運動・焦点調節と相関した活動を示すLS皮質ニューロンが記録され、視標速度に対する応答の差から、輻輳関連ニューロンと焦点調節関連ニューロンに分類された. 奥行き視覚刺激とLS皮質の微小刺激を組み合わせ、輻輳運動の持続的増強を起こすことができることは昨年報告したが、本年度は、増強効果を生じる確率がLS皮質部位により、異なることを確かめた.LS皮質の輻輳関連領域のうち、短潜時対称型運動が誘発される部位では、強い増強が得られたが、長潜時非対称型が誘発される領域では、増強が極めて弱かった. これらの結果からLS皮質内に近見反応に関わる機能分化が部位依存性に存在することが示された.また、LS皮質内で処理された奥行き視覚情報を利用し、LS皮質から運動促通信号が脳幹の運動中枢に送られることが示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)