Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
刺激間連合の観点に基づき記憶情報処理の種類を整理し,同時的連合を要する記憶と要しない記憶,それぞれに対応した記憶課題として,特定の音と光の同時提示による複合刺激を選ぶ視覚-聴覚configural弁別課題,音刺激のみによる聴覚単純弁別課題,光刺激のみによる視覚単純弁別課題,を設定した。これら3種の記憶課題を同一ラットに遂行させ,その際の聴覚皮質と海馬領域の複数ニューロン活動を記録した。各記憶課題において,弁別刺激間で有意にdifferentialな応答があった場合,そのニューロンはその記憶情報処理に関わっていると判定した。その結果,それらのうちいずれか1つの記憶課題,つまり1つの記憶情報処理のみに関わるニューロン,2つの記憶情報処理に重複して関わるニューロン,3つ全ての記憶情報処理に重複して関わるニューロン,それぞれが,海馬体においても側頭皮質においても,20数%ずつのほぼ等しい割合で見つかった。これは,記憶情報処理においては,single neuron codingではなく,ニューロン間の重複を持つcell assemblyによるpopulation codingが行われている可能性を示唆している。そこで,各記憶課題遂行中に同時記録した複数ニューロン活動間の相互相関解析を行い,それらの機能的シナプス結合についても検討した。その結果,ある記憶課題に関わっているニューロンの間には,その課題を行っている時のみ,機能的シナプス結合が働いており,その活動が互いに相関していることがわかった。つまり,記憶情報処理(記憶課題)の種類は,個々のニューロンによってコードされるのではなく,複数ニューロンが機能的につながったcell assemblyによってはコードされることがわかった。
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