前頭連合野の作業記憶機構における視空間情報の表現に関する研究
Project/Area Number |
07252216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船橋 新太郎 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (00145830)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 前頭連合野 / 記憶 / 作業記憶 / サル / 単一ニューロン活動 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究では、遅延期間活動をもつ前頭連合野ニューロンの記憶野を決定した後、記憶野内に呈示する視覚刺激と記憶野外に呈示する視覚刺激とを組み合わせ、記憶野外に呈示された視覚刺激の位置や呈示順序によって遅延期間活動が受ける影響から、一時貯蔵機構間の相互作用の有無を検討しようと試みた。サルに注視と記憶誘導性眼球運動を組み合わせた遅延反応課題を行わせた。まず、テレビ・モニターの中央に呈示した注視点と、その周辺に予め設定した8ヶ所のうち1ヶ所に視覚刺激を呈示する課題を行わせ、ニューロンの記憶野を決定した。ニューロンの記憶野は、3秒の遅延期間に有意なニューロン活動の観察された位置とし、そのうち最大応答を示した視覚刺激呈示位置を決定した。次に、最大応答を示した刺激呈示位置を中心に、その周辺4ヶ所に新たな刺激呈示位置を設定し、遅延連続眼球運動課題を行わせてニューロン活動を記録した。記憶野の周辺4ヶ所のうち1ヶ所に0.5秒間、記憶野内に0.5秒間視覚刺激を順次呈示した後3秒の遅延期間を挿入し、遅延終了後0.5秒以内に視覚刺激が呈示された順に呈示された位置へ眼球運動が行われれば、サルに報酬が与えられる。記憶野内に呈示される視覚刺激の順序をランダムに前後させて、記憶野外に呈示された視覚刺激の位置や呈示順序によって遅延期間活動が受ける影響を調べた。 その結果、他の刺激との組み合わせや呈示順序にかかわらず、記憶野内に手がかり刺激が呈示されれば遅延期間活動が生じるニューロンが存在すると同時に、遅延期間活動の出現が記憶野外に呈示した刺激の位置や呈示順序に依存するニューロンが見いだされた。後者のニューロンでは、記憶野内に手がかり刺激が最初に呈示された全ての試行で遅延期間活動が観察され、また、記憶野外のある位置に最初の手がかり刺激が呈示される試行でも遅延期間活動が観察された。しかし、記憶野外の別の位置に最初の手がかり刺激が呈示された試行では遅延期間活動が観察されなかった。このことは、記憶野をもつニューロンのあるものは、その周辺に記憶野をもつニューロンから抑制性の入力を受けている可能性を示唆する。さらに、このような記憶野の周辺から抑制性の入力により、位置依存的で、しかも呈示順序に依存した遅延期間活動が生成される可能性も示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)