Project/Area Number |
07252225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 章道 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 香織 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (00276213)
三輪 尚史 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40255427)
渡辺 修一 慶応義塾大学, 医学部, 専任講師 (60138120)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 網膜 / 双極細胞 / シナプス / 光応答 / カルシウム電流 / マウス |
Research Abstract |
網膜は光受容器であるとともに、視覚情報を階層的に処理している神経組織である。神経節細胞(視神経)が活動電位を発生して、網膜で処理したさまざまな視覚情報を視神経の活動電位の発射パターンに符号化して中枢へ送り出す。各網膜ニューロンの受容野や光応答の性質を解決するのはそれぞれの細胞へ入力するシナプス入力や細胞が持つイオンチャネルのキネティックスである。以前われわれはマウス網膜双極細胞は低い膜電位で活性化され、速い時間経過を持つ不活性化を示すT型のカルシウム電流を持つことを報告した。T型のカルシウム電流は一過性の伝達物質放出をもたらし、双極細胞の持続性の光応答が神経節細胞では一過性の光応答に変換される機構に関与しているものと考えられた。しかし、それでは持続性の光応答を説明できなかった。 そこで本研究ではマウス網膜のスライス標本を用いて双極細胞のカルシウム電流を記録したところ、T型電流の他に持続性L型電流が観察できた。興味深いことは軸索が途中で切断された細胞では一過性の電流が記録され、軸索のついた完全な形を保っている細胞では一過性成分と持続性成分の両方が記録されたことである。この結果は、持続性のL型成分は軸索終末部に存在し、一過性のT型成分は細胞体部に存在することを示唆している。L型成分はおそらく軸索終末の非常に限局した部分だけに存在するのであろう。以前、単離した双極細胞からT型電流だけが記録されたのは、細胞を単離する際に軸索終末部が無くなってしまったためではないかと考えられる。
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