海馬神経回路シ-タリズム発現による関係記憶の生成機構
Project/Area Number |
07252228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
山口 陽子 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00158122)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 記憶 / 学習 / 海馬 / 同期振動 / 神経回路 / 動的リンキング / シナプス可塑性 / シ-タリズム |
Research Abstract |
海馬が担う記憶は、陳述記憶や空間認知に関連しており知覚入力をそのまま固定するのでなく、入力情報相互の関係、さらに入力情報と内部的な記憶との関係を作り出すことによって生成される記憶である。本研究では、海馬固有の関係性としての記憶生成機能を、「振動同期仮説」の上にたって、神経回路モデル上での情報処理原理として明らかにすることを目的としている。 数理的なツールとして、位相で神経ユニットを記述する方法を提案した。活動は固定点型とリミットサイクル型のアトラクターのいずれかにより現れ、種々アトラクターの相互作用として記憶相互の関係としてダイナミックスが生成される。このユニットを用いて海馬体の神経構造とシ-タリズム特性を簡単化した学習モデルを提案した。シナプス可塑性ルールとしてコバリアンスルールを用いる。教師は回路における同期性を境界条件として制御する。境界での振動の同期性が遠達的に働いて、層間結合が選択的に成長して同期が得られ、相関学習が達成されることを示した。学習後の記憶想起は各ユニットの同期として現れ、複雑な入力が入った場合には位相による図と地の分離能力を示した。本来の海馬体神経回路においては境界が再帰的に結合することにより教師シグナルが回路から分離できない構造になっており、海馬体への2種の入力の整合性を拘束条件として海馬内の回路への関係生成が起きることになる。これらの知見は、海馬と新皮質での相互作用としての記憶生成を解明するための手掛かりとなる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)