外的ストレスによって誘導される組換え蛋白質群の二本鎖DNA切断修復機能の解析
Project/Area Number |
07253204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 非相同的組換え / 染色体異常 / ストレス応答 / SOS機能 / recQ遺伝子 / DNAジャイレース / DNAの二本鎖切断 / ブルーム症候群 |
Research Abstract |
我々は、大腸菌ファージλによる非相同的組換え測定系を利用してDNAの再編成を観察し、DNAの二本鎖切断の起こる機構の解析を行った。まず、紫外線により誘導される組換え体ファージの解析を行い、約半分のファージの組換えが組換え高発部位(ホットスポット)で起きていることを見いだした。そして、その近傍に反復配列が存在することから、DNA損傷が反復配列間のスリッページを引き起こし、二本鎖切断に至ると考え、「反復配列に依存する二本鎖切断モデル」を提唱した。 さらに、もう一つの二本鎖切断機構としてDNAトポイソメラーゼに依存するものがあると考え、外的ストレスなしにDNAの切断を引き起こすDNAジャイレースやDNAトポイソメラーゼの変異株を単離することに成功した。これらの酵素によるDNAの切断は、DNAの損傷や反復配列のないところで起き、組換え部位も異なるので、別の切断機構によって起こると考えられる。 大腸菌のSOS機能の一つとして知られているRecQ蛋白質(3'→5'DNAヘリカーゼ)の機能を解析するために、recQ変異株における非相同的組換えの頻度を測定した。その結果、紫外線照射の有無にかかわらず、組換えが3倍から30倍に増大した。RecQ蛋白質は、紫外線や自然に生成したDNA損傷によって誘導される組換えの起こりやすいDNA構造を元に戻すことによって、非相同的組換えを抑制すると考えられる。最近、ブルーム症候群の原因遺伝子がrecQホモログであることが分かり、ブルーム症候群の患者において染色体異常が起こりやすいという症例と今回の我々の成果とは整合性があることが分かった。従って、今回のrecQ遺伝子の解析の成果は、真核生物のRecQの機能の解析にも役に立つと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)