哺乳動物の低分子量ストレス蛋白質のストレス誘導修飾因子に関する研究
Project/Area Number |
07253234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ストレス応答 / ストレス蛋白質 / HSP27 / クリスタリン / HSP70 / アラキドン酸 / プロテイン キナーゼ / コルヒチン |
Research Abstract |
本年度はストレス誘導を修飾する内因性因子の解析に主力を注ぎ、以下の結果を得た。 1)C6ラットグリオーマ細胞に亜砒酸ストレス(50-100μM/1h)あるいは熱ストレス(42℃/30min)を負荷する際に、アラキドン酸カスケード代謝活性を修飾し、細胞内遊離アラキドン酸濃度が増加する薬剤を共存させると、ストレスによって活性化された熱ショックファクター(HSF)のDNA結合能が長時間持続し、hsp27、αBクリスタリンおよびhsp70の転写・合成が促進されることが分かった。ラットにaspirin(cyclooxygenaseを阻害する)を投与して熱ストレスを負荷とする肝、副腎などでの上記のストレス蛋白質の誘導が促進され、アラキドン酸カスケードとストレス応答が密接に連関していることが個体レベルでも証明された。 2)protein kinase Cの活性化剤であるホルボールエステル、PMA、およびserine/threonine protein phosphataseの阻害剤であるオカダ酸も、MAP kinase-phospholipase A_2-アラキドン酸カスケードの活性化をもたらし、ストレスによって活性化されるHSFのDNA結合能を持続され、ストレス誘導を促進することが分かった。 3)protein kinase A-cAMP系の促進状態は、hsp27のストレス反応には促進的に、しかし、αβクリスタリンの誘導には逆に抑制的に作用した。一方、hsp70の応答は影響を受けなかった。cAMPを介するストレス応答の修飾は、HSFレベルではなく他の転写因子(CRE)を介した修飾であることが推測された。 4)チュブリン結合細胞分裂M期阻害剤であるcolchicine, colcemid, nocodazole, vinblastineなどに、C6細胞を暴露すると、αBクリスタリンが選択的に誘導されてくることを発見した。微小管結合細胞分裂M期阻害剤であるtaxolによっては誘導されず、逆に上記の誘導を特異的に抑制されることから、微小管の脱重合が促進される状態でαBクリスタンの合成が促進されることが示唆された。また、この誘導促進はprotein kinaseの阻害剤であるstaurosporineによって敏感に抑制された。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)