細胞周期調節機構における核内GTPase活性化蛋白の機能
Project/Area Number |
07254207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 雅一 京都大学, 医学研究科, 助手 (40211479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 長博 京都大学, 医学研究科, 教授 (40137716)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 核内GTPase活性化蛋白 / 低分子G蛋白 / 細胞周期 / プロセッシング / ロイシンジッパー / PEST配列 / 第19染色体 / ガン抑制遺伝子 |
Research Abstract |
正常リンパ球の細胞分裂周期への進入に伴って誘導される新規遺伝子、Spa-1は、N末側に低分子G蛋白(Rap1)GTPase活性化蛋白相同ドメイン(GRD)、C末側にロイシンジッパー構造と蛋白分解に関わるPEST配列からなるドメイン(PEST/LZ)、その中央部に全く新規の構造を有する蛋白(85kDa)をコードする。この遺伝子に関し、これまでに以下の点を明らかにした。 (1)Spa-1遺伝子は85kDaの蛋白をコードするが、リンパ球の中ではC末側のプロセッシングにより68kDaの分子へとなり、この過程が同分子の核内移動に重要であることが示唆された。 (2)このプロセッシング活性は、活性化リンパ球で高く、NIH3T3細胞でほとんど認められなかった。さらに、このプロセスされた蛋白が特異的に細胞増殖に抑制効果を示し得ることも明かとなった。 (3)Spa-1蛋白は、細胞内で末同定のいくつかの蛋白と大きな複合体を形成しており、試験管内では、細胞増殖制御に関与するとされる低分子G蛋白、Rap-1AとRan、とそのGRDドメインを介して選択的に結合することが証明された。 (4)マウスSpa-1のゲノム遺伝子のクローニングと染色体マッピングを終え、同遺伝子が第19番目の染色体上の最もセントロメア側に位置すること、ヒトではおそらく11q13に相当することが明らかとなった。 (5)ヒトSpa-1遺伝子の単離に成功した。 以上の結果から、Spa-1蛋白は正常リンパ球の増殖反応の低分子G蛋白を介する抑制的制御に重要な役割を果たしていることが示唆されている。神経線維腫症の原因遺伝子NF-1が、Rasとの相互作用を介して、さらに最近では結筋性硬化症の原因遺伝子TSC-2がRap1との相互作用を介して、各々細胞増殖の抑制的制御に関与していることが報告されており、このような機能的類似性から、Spa-1がリンパ造血系の増殖性疾患の発症に関与していることも疑われ、現在さらに検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)