トランスジェニックマウスを用いたI型糖尿病発症機構の解析
Project/Area Number |
07257201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 純一 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10200156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (40136213)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | NODマウス / I型糖尿病 / トランスジェニックマウス / 自己免疫 / サイトカイン |
Research Abstract |
I型糖尿病は、ウィルス感染や薬剤によるβ細胞の障害が引き金となって、β細胞に対し自己免疫反応が起こることがその病因と考えられている。I型糖尿病患者の遺伝解析から、遺伝要因のうちで最も大きなものは、主要組織適合複合体(MHC)領域であるとされる。したがって、発症の分子機構を解明して行く上で、MHC抗原の多型性と発症との関係を解明していくことが重要である。また、I型糖尿病の進展にはさまざまなリンフォカインの関与が想定されている。本研究ではI型糖尿病モデルとして知られるNODマウスを用いて、I型糖尿病発症におけるMHCクラスII・Aβ鎖の多型性部位の関与とサイトカイン(本研究ではIL-10、TGFβ)の役割を解析した。そのため、正常のマウス由来のAβ鎖遺伝子の多型性部位をNODタイプのアミノ酸(Pro-AspをHis-Ser)に変えた変異クラスII遺伝子A_β^<d/k>HS、あるいは膵島α細胞で発現するよう修飾したIL-10遺伝子を作製し、これをNODマウスの受精卵にマイクロインジェクション法で導入した。得られたトランスジェニックNODマウスを繁殖させ、導入遺伝子の発現が膵島炎、糖尿病にどのように影響するかを検討した。その結果、Aβ鎖の第57番目近傍のアミノ酸が重要とされてきたが、それだけで疾患感受性が決定されるのではないことが示された。一方、IL-10遺伝子をα細胞で発現するトランスジェニックマウスでは、早期(5〜10週)に糖尿病発症が起こり、この発症にはNODマウスの遺伝的背景が必要であることが示された。この結果から、IL-10はI型糖尿病発症に関与している可能性が考えられた。TGFβのトランスジェニックマウスは解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)