ステロイドホルモン産生組織の分化に不可欠な転写因子Ad4BPの遺伝子発現
Project/Area Number |
07258221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸橋 憲一郎 九州大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30183114)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 副腎皮質 / 精巣 / 卵巣 / ステロイドホルモン / Ad4BP / 転写因子 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究では、Ad4BPがステロイドホルモン産生組織の分化過程でいかなる機能を有するかを調べることを目的とした。まず1、胎仔期より成獣にいたるラットの生殖腺におけるAd4BPの発現を検討した。(1)Ad4BPは生殖腺の成分化が認められる以前の生殖隆起に既に発現しており、その発現量に性差は認められなかった。(2)生殖腺の性分化の進行と共に、精巣で高く卵巣で低い発現が認められる。この性依存的発現は、生後1週から3週にかけて雌での発現が亢進することで消失する。(3)副腎皮質における発現も、この組織が腹腔内に現れる以前に認められ、高い発現が成獣まで続く。副腎における発現には、性に依存した発現量の差は認められない。(4)脳下垂体ゴナドトロプ、視床下部腹内側核においても発現が認められた。これらの細胞には胎性期にAd4BPの発現が認められ、特に視床下部腹内側核の原基となる細胞集団が同定された。 次に、Ad4BP遺伝子のノックアウトマウスの解析より以下の結果を得た。(1)Ad4BP遺伝子の破壊により、これらマウスは生後1週前後に死ぬ。(2)ノックアウトマウスには、副腎と性腺が認められず外性器は雌方を示した。(3)脳下垂体ゴナドトロプの減少と、ゴナドトロプにおけるLH/FSHの著しい発現低下が認められた。(4)視床下部腹内側核における神経細胞の減少は認められなかったが、腹内側核としての形態を有していなかった。 3、更に、Ad4BP遺伝子の転写調節機構の解析を行った。(1)本遺伝子には複数の第一エクソンが存在したが、これらのエクソンの使用頻度は組織や時期で差は認められなかった。(2)本遺伝子の転写は、第一エクソン上流に存在するE-boxと第一イントロンに存在するAd4配列により調節される。(3)E-box結合タンパク質はAd4BPの発現と類似したパターンをとる。(4)胎性期及び新生児期の精巣から調製されたcDNAライブラリーより、E-box結合タンパク質の一種が単離された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)