Project/Area Number |
07258224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
林 茂生 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (60183092)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 翅 / 転写因子 / 誘導 / Zinc-finger |
Research Abstract |
転写因子Escargot(Esg)とSnail(Sna)の翅形成の初期段階に関わる機能を検討し以下の結果を得た。 1.EsgとSnaという類似した転写因子が完全に共通した役割をもって翅形成を促進する事がわかった。これまでb-HLHタイプの転写因子群が脊椎動物の節分化や昆虫の神経発生において類似の機能を果たしている事が示されていた。今回の結果によりZinc-finger蛋白においても同様の事が、より完全な形で見られることが示された。 2.esg snaは翅形成促進に特異的に働く遺伝子の初めての例である。翅形成はEsgとSnaの二重の働きにより支配されているために、これまでの変異体を探すというアプローチによっては同定が困難であったのであろう。Esg,Snaに類似な構造を持つ遺伝子は広く動物界で同定されておりSnailファミリーと呼ばれている。有翅・無翅の昆虫の間でEsg様の蛋白の機能を比較する事で翅形成で保存されている分子メカニズムの理解が進むとおもわれる。 3.翅形成の前段階として誘導の重要性が明らかとなった。誘導によりまずEsg,Snaの発現が始まる。そして同時に同じ領域でEsg,Snaに応答する能力が獲得される。この二つの現象が重なって始めてEsg,Snaの自互、相互の活性化のサイクルが安定化し、翅への分化が不可逆的に進行すると考えられる。誘導の実体は不明であるが分泌性シグナル分子のWgとDppが有力な候補である。予備的な結果としてDppは濃度依存的に翅と脚の形成を同時に支配しているとするデータが得られており更に検討を重ねている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)