Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 哲也 日本総合研究所, 技術情報部, 副主任研究員
松村 茂 東北芸術工科大学, デザイン工学部, 助教授 (80239079)
花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00134015)
川原 博満 富士通エフ, アイ・ピー・第2科技システム部, 主任
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
GIS(地理情報システム)の上で地域を対象としたLCA(ライフサイクルアセスメント)を行い,都市の空間構造を環境負荷のみならず,建設・運用コスト等の視点からも多次元的に評価し,低負荷型の都市構造へと誘導するための手法を検討した。温熱需要量の多寡や充足率の多寡がLCAの結果に与える影響を考察するため,4つのフィールドを対象に結果の比較を行った。中野区中央1丁目付近における温熱需要量は20Gcal/時程度であるのに対し,足立区島根2丁目付近のそれは10Gcal/時程度に過ぎないが,充足率はともに100%である。いずれも住宅の床面積のウェイトが高い地域であるが,前者が高層が多いのに対し後者は低層が多く,この温熱需要の差につながっている。LCE(ライフサイクルエネルギー),LCCO_2(ライフサイクルCO_2)及びLCcost(ライフサイクルコスト)が逆転するまでの時間(ペイバックタイム)の比もほぼ1:2程度である。LCcostは建設段階のウェイトが高いため,逆転までにとりわけ長い期間を要する。建設段階におけるLCE,LCCO_2,LCcostは地域暖房プラントの建設,ヒートポンプへの取水設備の建設,地域配管によるものの和で与えられる。しかしいずれのフィールドにおいても0.8PJ,20Kt-C,202億円であった。これらの値は地域配管のみの値にほぼ等しいことから,建設段階における3つの値はピーク負荷の規模によらず地域配管のみで決まってしまうことが明らかになった。このように細密地理情報を活用し,LCAの手法を地域・街区に適用することが可能である。また,温熱需要が大きいということは,地域熱供給システムの導入にとってLCAの面から見ても有利である。
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