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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
近年,人工電磁環境が生体に対しストレス性を有していること,生体の日周リズムに影響を及ぼすことなどが知られ,その解明が急がれている.各国でそれぞれ個別の安全基準が暫定的に設けられてはいるが,国によりその値が大きく異なっているのが現状である.その原因としては,生物学的および工学的根拠に基づく客観的評価法の欠如によるところが大きい. 我々はこれまでの研究を通し,人体のような複雑な構造に対する電磁界ならびに空間イオン流の曝露量の解析・評価法を確立してきた.今年度は,これまでの動物実験の結果をもとに,ヒトにおける影響の定量評価を開始した. まず体表刺激反応計測法を開発するとともに,ヒトに対する電界曝露実験を行った.その結果,これまで定性的に明らかにしてきた相対湿度による電界の生体作用の変化を,感知閾値の変化として定量化することに成功した.またこの定量解析を通し,感知閾値の個体差・男女差の原因の一端を明らかにした.さらに,電界被曝者の経験が知識情報の違いによる感知閾値の微妙な変化を,定量的に明らかにした. 今後このような解析をさらに進め,平行して行っている電界のストレス性の解析結果と総合することにより,これまでより信頼性の高い生体作用の定量解析が可能になると思われる.これらの手法は,生体影響が報告されるたびに論争となる再現性の問題や安全基準値の問題に対し,有効な解決手段を提供するものと考える.
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