光合成細菌を利用した有機性廃水の嫌気処理・再資源化プロセスの最適運転制御
Project/Area Number |
07263218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大瀧 雅寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70272367)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 光合成細菌 / 有機性排水 / 嫌気的質変換 / 菌体生産 / PHA / 紅色非硫黄細菌 / Rhodobacter sphaeroidos / 食堂排水 |
Research Abstract |
有機性廃水の処理過程において、温室効果ガスの放出をできるだけ抑制し廃水を原料としてより多く質化するプロセスとして、紅色非硫黄細菌を利用した光合成リアクターにおける有機性廃水の嫌気処理・再資源化プロセスに的を絞り、脂肪酸を含む廃水の直後処理の適用範囲を明らかにし、その廃水組成に応じた最適運転制御方法の確立を図った。まず、Rhodobacter sphaeroidesを用いた小型セルバッチ実験で、低級脂肪酸から長鎖の脂肪酸まで脂肪酸の種類を変えた増殖試験を行った結果、炭素数7〜8の脂肪酸(エナント酸、カプリル酸)で、最も高い収率を得た。しかし、投与炭素当たりの転換率で言うと炭素数4〜7の脂肪酸で大差はなく、投与した有機物とほぼ同量の菌体が生産できることがわかった。炭素数10〜11の脂肪酸では全く増殖しなかったが、さらに長鎖の脂肪酸では若干の増殖が認められた。増殖速度の実験から、最適運転条件照度60001x、温度30〜35℃を得たが、実廃水を用いた自然太陽光を用いた無加温連続実験では、光照射が不連続かつ水温が13〜25℃と最適条件からはずれており、菌体転換率が40%であった。やはり菌体生産という観点からは連続照射が必要であることがわかった。菌体組成では、長鎖の脂肪酸からは代謝産物にアミノ酸メチルエステルが検出され、蛋白質への転換が多いことが推定された。炭素数2〜5でPHA含有率が高く、組成は単一のPHBであった。オレイン酸以外の炭素数6以上の脂肪酸ではPHA含有率は低かった。菌体生産速度及びPHB生産速度は、酪酸で最大となるが、菌体生産速度は炭素数の増加によってそれほど大きく減少せず、菌体の質からはむしろ炭素数6〜9の脂肪酸の方がよい。このことから、廃水の組成に応じてあるいは酸生成の前処理を制御して、脂肪酸の炭素数を調節する事により、目的物質(菌体栄養分かPHAか)の生産を最大化させることが可能であることを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
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