金属回収用廃棄物焼却に由来する高毒性有機塩素化合物の汚染影響評価
Project/Area Number |
07263255
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
宮田 秀明 摂南大学, 薬学部, 教授 (80167676)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青笹 治 摂南大学, 薬学部, 助手 (20248066)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ダイオキシン類 / 金属回収用廃棄物焼却 / ダイオキシン類汚染 / 河川 / 養殖池 / 底質 / 養殖魚 / 生物濃縮 |
Research Abstract |
ダイオキシン類のポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)およびコプラナーPCB(Co-PCB)は、いずれも強毒性、高残留性を有するために、現在、世界的に汚染軽減対策が強調されている環境汚染物質である。1960年以来、台湾台南県の湾裡地区では日本などを中心として輸入された廃棄物が金属回収を目的として野焼きされており、野焼き場所やその周辺の土壌は廃棄物の焼却に伴って生成したダイオキシン類で高濃度汚染されていることを既に明らかにしている。今回、焼却場周辺部に存在する淡水魚(サバヒ-)養殖池や河川および養殖魚の汚染実態を明らかにするとともに、その汚染影響評価を試みた。 野焼き場所周辺部の養殖池や河川は底質はいずれもダイオキシン類汚染を受けており、高濃度のものは危険視されるレベルの1000 pgTEQ/gをはるかに越えていたり、近接していた。その汚染影響範囲は焼却場所から1000m以内と推定された。一方、焼却場から300-500mの範囲にある養殖池のサバヒ-におけるダイオキシン類濃度は、日本の市販魚の約60倍もの高い汚染度であった。さらに近接した300m以内の養殖池のサバヒ-の濃度は、極めて高くなり、それらの喫食によるダイオキシン類摂取量は欧米の一日摂取許容量の数千倍から数百万倍に達する異常なものとなる。従って、養殖魚を多食する周辺住民における今後の健康影響調査が急務となる。底質から魚やカニへの生物濃縮はPCDD<PCDF<<Co-PCBの順に大きくなり、結果としてPCDDやPCDFに比べてCo-PCBが両生物種に極めて高濃度で蓄積することを明らかにした。さらに、この結果は各ダイオキシン類の物性(水溶解性:Co-PCB>PCDF>PCDD;吸着分布定数:Co-PCB<PCDF<PCDD)および生物の生息条件の相違に起因することを究明した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)