Project/Area Number |
07264215
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (40162325)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 神経細胞壊死 / NMDA受容体チャネル / グルタミン酸受容体チャネル / シナプス可塑性 / ジーンターゲッティング / 神経回路形成 |
Research Abstract |
様々な神経疾患に認められる神経細胞の変性、壊死の原因の一つとして、グルタミン酸受容体の異常興奮が考えられている。なかでも高いカルシウムイオンの透過性と電位依存性のマグネシウムイオンによる閉塞という特性を持つNMDA受容体チャネルは、神経細胞壊死の鍵を握る分子と注目されている。我々は、神経細胞壊死の分子機構を明らかにする目的で、このNMDA受容体チャネルを構成し、その機能的多様性を決めるεサブユニットを標的遺伝子組換えによって欠失したマウスを作成し解析をおこなってきた。本年度は、発現が発生初期からから認められ、生後その発現が前脳に限定されてくるε2サブユニットのノックアウトマウスの作成に成功した。この変異マウスは、哺乳反射が消失しており生後すぐに死亡した。しかし、強制栄養による飼育を試みた結果、生後3日以上生存し身体的にも発育するることが明らかになった。ε2サブユニットの欠失により、形態学的に大きな変化は認められなかったが、脳幹三叉神経核に存在するバレレッテ構造が消失していた。さらにこの変異マウス海馬CA1錐体細胞では、生後3日目までNMDA受容体チャネルを介する電流成分が検出されなっかた。また、この領域で生後2-3日頃から低頻度刺激でおこる長期抑圧(LTD)も認められなかった。これらのことから、ε2サブユニットは、生存に必須な分子であること。さらに、幼若期海馬でのNMDA受容体チャネルの構成成分であり、シナプスの可塑性に関係する分子であることが明らかになった。また、ある種の神経細胞終末のシナプス形成に関与することが示唆された。今後、すでに作成しているε1サブユニットのノックアウトおよびε2サブユニットのノックアウトマウスを用いて、NMDA受容体チャネルが神経細胞壊死にはたす役割の解析を個体レベルでおこなう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)