原型癌遺伝子bcl-2の遺伝子発現による神経細胞死の回避とその生理的意義
Project/Area Number |
07264236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 安男 大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
似鳥 徹 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90128934)
佐藤 昇 大阪大学, 医学部, 助手 (00254756)
和栗 聡 大阪大学, 医学部, 助手 (30244908)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Bcl-2 / PC_<T2>細胞 / 遺伝子導入 / ミトコンドリア内膜 / 免疫細胞化学 / 小胞体 / アポトーシス / ネクローシス |
Research Abstract |
これまでの研究から、Bcl-2蛋白は粗面小胞体や滑面小胞体、核膜、ミトコンドリアの外膜に局在することが報告されている。周知のごとく、アポトーシスは形態的な定義であり、核に初期変化があるとされてきた。特に、核クロマチンの凝縮、アポトーシス小体の形成時においてもミトコンドリアを初めとする細胞内小器官は形態的に正常である。しかし、近年の研究から、核DNAの断裂化が生じる時には、ミトコンドリアの機能も低下しているこが明らかにされている。さらに、Bcl-2はアポトーシスのみならず一部のネクローシス(呼吸鎖阻害により誘導された)をも回避することが分かった。これらの現象を理解するために、Bcl-2(およびBcl-X_L)の正確な局在をbcl-2/bcl-X_L遺伝子を導入したPC12細胞(PC-bcl/PC-bolx細胞)で免疫組織細胞化学的に検討した。免疫反応には、ヒト、マウスBcl-2/Bcl-x蛋白あるいはその合成ペプチドに対するポリクローナルあるいはモノクローナル抗体を用いた。共焦点レーザー顕微鏡でPC-bcl/bclx細胞を観察すると、Bcl-2/Bcl-x蛋白に対する細顆粒状の免疫陽性反応が細胞質や神経突起に見られた。凍結超薄切片-金コロイド法によって、Bcl-2/Bcl-x蛋白の局在をみると、Bcl-2/Bcl-x蛋白の抗原性を示す金コロイド粒子は主にミトコンドリアの内膜上に認められた。金粒子は小胞構造にも見られたが、核膜に沈着する金粒子は認められなかった。神経突起内に存在するミトコンドリアの内膜にも金粒子の局在が認められた。同蛋白陽性の金粒子は核にも見られたが、非特異的な局在との差は見られなかった。脊髄前角細胞、肝細胞においても同様の所見が得られた。現在のところ、Bcl-2およびその関連蛋白がミトコンドリア内膜のいかなる機構と関与するかは不明であるが、本研究結果は、アポトーシスを回避する機構にミトコンドリアが関与する可能性を示唆するものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)