Project/Area Number |
07265101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 嘉宏 昭和大学, 薬学部, 助手 (20053902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 哲男 統計数理研究所, 統計教育・情報センター, 助教授 (50208451)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 原生生物 / 真核生物の初期進化 / 分子系統学 / 最尤法 / 保存的蛋白質 |
Research Abstract |
本年度遺伝子解析の対象とした原生生物種は、ミトコンドリアをもたない寄生虫であるGlugea plecoglossi(微胞子虫類、アユの寄生虫)、Heterosporis anguillarum(微胞子虫類、ウナギの寄生虫)、Giardia lamblia(ランブル鞭毛虫)、Trichomonas tenax(トリコモナス)、Entamoeba histolytica(赤痢アメーバ)、さらにミトコンドリアを有するが解析上その位置づけが重要となるTrypanosoma cruzi、および、チトクロームをもたないミトコンドリアを有するとされる寄生虫Blastocystis hominisの合計7種である。対象とした遺伝子は、リボソームRNA、ペプチド鎖伸長因子EF-1αおよびEF-2、イソロイシル-およびヴァリル-tRNA合成酵素(ileRS, valRS)、70kD熱ショック蛋白質(HSP70)、液胞型ATPase(v-ATPase)であり、これらについての配列データをもとに、塩基あるいはアミノ酸置換に関するさまざまな確率モデルに基づいて真核生物内部の系統関係を最尤法により検討し、以下に示す結果を得た。 1.アユ寄生虫GlugeaのEF-1αおよびEF-2は、明らかに真核生物型の特徴を示していたが通常の真核生物のものに比べると極めて特異的であった。これらの配列を含めたペプチド鎖伸長因子の解析結果は、一貫して、ミトコンドリアをもたない3種の原生生物、Glugea、 Giardia、 Trichomonasが、真核生物の歴史の早い時期にこの順に分岐したとする可能性の高いことを示した。ileRSの解析結果もGlugeaの分岐が最も早いとの系統樹を一応支持したが、Glugeaを含む原生生物内部の関係はあまり明確ではなかった。もしGlugeaの分岐が早いことが真実であるとすると、微胞子虫類はミトコンドリアの細胞内共生が起こる以前の真核生物の祖先型に最も近い生物群であるという可能性が示唆される。 2.EF-1α、 EF-2、 HSP70、 v-ATPaseに関する解析結果から、Blastocystisの系統的位置について、Giardiaの分岐よりも後であるが、高等真核生物の分岐よりは早いとの可能性が支持された。これによりYeast近縁説は完全に否定され、Blastocystisが原生生物の一種であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Hashimoto, T., Nakamura, Y., Kamaishi, T., Nakamura, F., et al.: "Phylogonetic place of a mitochondrion-lacking protozoa n, Giardia lamblia, inferred from amino acid sequenaes of elongation factor 2." Mol. Biol. Evol.12. 782-793 (1995)
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