GTP結合蛋白質をはじめとする光情報伝達分子群の多様性と進化
Project/Area Number |
07265207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深田 吉孝 東京大学, 教養学部, 教授 (80165258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 俊行 東京大学, 教養学部, 助手 (40272471)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 松果体 / 桿体 / 錐体 / ピノプシン / 光受容蛋白質 / G蛋白質 / 概日リズム / 光情報伝達 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を進め、以下の知見を得た。 【1】網膜以外の光受容組織における光情報伝達分子の構造と機能の解析 研究代表者らが発見した松果体の光受容体ピノプシンの情報伝達経路を明らかにするため、ヒヨコ松果体cDNAライブラリーより、三量体G蛋白質αサブユニットの遺伝子を検索した。その結果、Gt1α(桿体型トランスデューシンα)・Go1α・Go2α・Gi2α・Gi3αをコードすると思われる遺伝子が単離できたが、Gt2α(錐体型トランスデューシンα)遺伝子は得られなかった。塩基配列から推定されるアミノ酸配列では、ヒヨコ松果体Gt1αはウシ錐体Gt2αよりも明らかにウシ桿体Gt1αに高い相同性を示した(それぞれ97%と82%)。ノザンブロット解析の結果、やはりGt2α遺伝子はヒヨコ松果体ではほとんど発現していないことが判明した。これまでに知られている松果体の光情報伝達分子群は、ピノプシンを含めて錐体型であったが、桿体型G蛋白質αサブユニットが松果体に存在するという今回の結果は、網膜と松果体における情報伝達分子の進化を考える上で極めて興味深い。 一方、ピノプシンに対する特異的抗体を作成し、ヒヨコ松果体切片を免疫染色した結果、濾胞内腔に強い陽性像がみられ、ピノプシンは松果体細胞の外節に局在すると考えられた。現在、上記の各Gαに対する特異的抗体を用いてピノプシンと細胞内局在が一致するGαを同定しようと試みている。 【2】脳内光受容分子の同定とその一次構造解明 鳥類・両生類の脳深部にはロドプシン様の光受容体が存在し、概日リズムや季節性の生殖応答に関与するのではないかと考えられている。この分子の実体を知るため、ハト外側中隔部およびカエル視交叉上核のcDNAライブラリーから光受容体遺伝子を検索しているが、候補遺伝子はまだ得られていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(16 results)