Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
近蹄類テチテリアに属する長鼻目ゾウ亜科の3種(アフリカゾウ,アジアゾウ及び化石種のケナガマンモス),海牛目の3種(ニシインドヨウマナティー,ジュゴン,絶滅種のステラーカイギュ-)のミトコンドリアDNAチトクロームb遺伝子1005塩基対の配列決定を行ない,塩基配列データに基づいて,系統関係の解析を行った結果,テチテリア内の系統においては,分岐の早い順に長鼻類と海牛目の分岐, 海牛目のカイギュ-科とジュゴン科の分岐,ジュゴン科内でジュゴンとステラーカイギュ-につながる系統の分岐,長鼻類の中でアフリカ象の系統とアジアゾウとケナガマンモスの共通の祖先の分岐,そして最後にアジアゾウとケナガマンモスの系統の分岐が示された.ゾウ科ゾウ亜科の系統関係においては,ケナガマンモスとアジアゾウは姉妹群を形成し最も近縁であることが今回の研究で明確になり,長らく論争のあったゾウ亜科内の系統問題は決着をみた. 次に,ウシの家畜化が始まる以前のイングランドの上部更新統産の化石ウシBos taurus longifronsのミトコンドリアDNAのD-loop領域約0.7kbpの塩基配列を決定し,家畜品種の塩基配列のデータを加え,系統樹を作製し家畜ウシの起源に関する考察を行った.その結果,本化石亜種はヨーロッパ系品種のクラスターに含まれ,インド系品種との間には大きな分子距離を得た.この事実は,家畜化以前に,ヨーロッパ系品種とインド系品種との間にすでに大きな塩基配列の違いが存在していたことを示し,それらが独立に家畜化されたとする家畜ウシの二地域起源説が支持された.
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