Project/Area Number |
07265223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤 博幸 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70192656)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1995: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ホモロジーモデリング / 分子進化 / アラキドン酸カスケード / 分子系統樹 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、脂肪酸代謝経路の生物進化の中における形成過程を、分子進化の手法を用いて明らかにしてゆく事である。本年度は、昨年度研究を行った脂肪酸合成酵素のまとめを行った。また、プロスタグランジンD合成酵素の分子進化について研究を行った。プロスタグランジン(PG)は脂肪酸に由来する生理活性物質である。哺乳類は、種々の刺激によって細胞膜からアラキドン酸を切り出し、それをもとに種々のPGを合成している。PGDはPGD合成酵素によってヒトやラットの脳内で主に産生され、睡眠、痛覚、嗅覚などの調節に関わっている。我々は以前PGD合成酵素の配列比較から、本酵素が疎水性低分子の輸送タンパク質で構成されるリポカリンファミリーに属す唯一の酵素であることを明らかにした。また、本酵素の活性中心を構成すると思われるCys残基の推測を行った。今回、リポカリンの既知の三次構造の座標データをもとにホモロジーモデリングによって、本酵素の立体構造モデルの構築し、先述のCys残基の立体構造上での位置の推測を行った。Cys残基は、2枚のβシートから構成される疎水ポケット中に、その側鎖を突き出す形で存在していた。また、疎水ポケットは基質のPGHを取り込むのに十分な大きさを有していた。モデル構造上、Lys残基がCys残基近傍に存在しており、これも本酵素の触媒反応に関わる可能性が示唆された。また、本酵素を含む既知のリポカリンのアミノ酸配列85本のアラインメントを作成し、その系統樹から本酵素と他のリポカリンとの分岐年代の推定を行った。その結果、本酵素は魚類と哺乳類の分岐以前、脊椎動物と脊索動物の分岐以降にgelatinase-associated lipocalinから遺伝子重複によって分岐したものと推測された。
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