Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
(1)ネットワーク法を用いて,ヒトを含む霊長類のABO血液型遺伝子の塩基配列データを分析した。その結果,従来の最大節約法を用いた分析では明快にできなかった次の2点が推測された;B型対立遺伝子がヒト・ゴリラ・ヒヒの系統で独立に祖先型のA型対立遺伝子から生じたこと,ヒトのO-1型対立遺伝子は,A型対立遺伝子とO-2型対立遺伝子のあいだの遺伝子内組換えによって生じた可能性が高いこと,である。また,ABO型血液遺伝子とホモロジーのある他の遺伝子との比較も行ない,これらの遺伝子族がおそらく脊椎動物の出現以前にすでに存在していたと推定した。本研究は米国ラホヤ癌研究所の山本文一郎博士との共同研究であり,現在論文を執筆中である。 (2)最尤系統樹推定アルゴリズムを並列環境へ実装する目的で,新世代コンピューター開発機構(ICOT)の並列論理型言語KL1を用いて以下のプログラムを試作し,並列環境でその効率を調べた。(i)contour/1は対数尤度局面を生成し、最尤値を与える点に至るまでの尤度曲面の変化の様子を知ることができる。このプログラムはふたつの並列実行方法のいずれかを選択することができる。また疑似的にトポロジー空間の探索の際の負荷分散の様子を実現しているので、並列論理型言語を用いた最尤法の効率についてある程度の予想を立てることができる。(ii)traverse/3は、系統樹のすべての枝を横断的に変化させることにより,最尤値を与えるような枝長の組み合わせ(枝長空間)を探索する。本プログラムは塩基配列・アミノ酸配列どちらでも扱うことができるが,アミノ酸配列の場合はさらなる高速化が必要である。本研究は北陸先端科学技術大学院大学の國藤進教授らとの共同研究であり,昨年論文を発表した(OOta,Saitou,and Kunifuji,1995)。
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