心臓由来株化細胞におけるイオンチャネルの発現に関する研究
Project/Area Number |
07266222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大地 陸男 順天堂大学, 医学部, 教授 (10049025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 マキノ 順天堂大学, 医学部, 助手 (00255655)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 株化筋細胞 / 心筋 / 骨格筋 / カリウムチャネル / アパミン / カリブドトキシン / 培養心筋 |
Research Abstract |
ラット胚心臓由来の株化筋細胞H9c2の分化に伴うイオンチャネルの発現を、平成6年度にL型Caチャネルについて特異抗体による検出とパッチクランプ法により調べたが、本年度はこの標本での研究が遅れていた外向きKチャネルについてホールセル・クランプ型のパッチクランプ法で検討した。外向きK電流はCa電流よりも遙かに大きな電流でH9c2での主な電流であった。 未分化の筋芽細胞と多核に分化した筋管細胞で、脱分極ステップパルスでK電流を誘発した。単核の筋芽細胞では、速い上昇、遅い減衰と保持電位の脱分極によって不活性化される電位依存性外向きK電流(I_<KV>)が活性化された。このI_<KV>はTEAによってIC_<50>、1.9mMで抑制された。筋管細胞でもほぼ同様のI_<KV>が電流密度の僅かの現象を伴って存在した。さらに筋管細胞では、再分極で遅い尾電流に伴われる別のK手電流が生じた。この遅いK電流は、H9c2における新たな発見であって、無Ca溶液やピペットからの10mMのEGTAの適用による消失から、Ca活性化K電流(I_<KCA>)と結論された。I_<KCA>の阻害剤カリブドトキシンとアパミンは最大上濃度の100nMで、全体のI_<KCA>を各々単独で57.0と43.0%抑制し、同時適用で完全な抑制をもたらした。筋管細胞における全K電流に対するI_<KV>とI_<KCA>の割合は半々に近かった。I_<KV>の性質とI_<KCA>の発現は、クローン化されたH9c2細胞株が、外向きKチャネルの性質に関して骨格筋に近いことを示す。 培養液中の牛胎児血清の濃度を、従来の10%から数%に減少すると細胞の分化が促進される一方、I_<KCA>の密度は減少する傾向があった。Kチャネルの成果は論文を投稿中であるが、チャネル発現の調節およびKチャネル関するチャネルタンパクの分子生物学的な同定が今後の課題となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)