Project/Area Number |
07266226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
武田 伸一 国立精神・神経センター, 神経研究所・遺伝子工学研究部, 室長 (90171644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮越 友子 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第一部, COE特別研究員
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | DMD遺伝子 / ジストロフィン / 心筋 / 転写調節 / CArG box配列 / 筋ジストロフィー / XLCM |
Research Abstract |
ヒトDMD遺伝子の筋型プロモーター(-850/+537)にCAT遺伝子を組み替えたクローンを出発点として、一連の5'-欠失ミュータントを作製した。これらのミュータントをlipofection 法を用いて新生仔ラット初代心筋培養細胞、マウス筋芽筋管細胞系C2、マウス線維芽細胞系10T1/2に導入し、細胞を回収してCAT assayを行った。初代心筋培養細胞においては、転写開始点よりも下流に転写を活性化する部位が存在したが、転写開始点よりも上流に関して最も高い転写活性を与えるのは上流-102bp以下を含むミュータントであり、-80bp以下のミュータントには、低い活性しか認められなかった。一方、骨格筋細胞においては、転写開始点・下流の転写活性化部位の他、-102bpから-200bpの間に転写を抑制する部位が見出されたが、最大の活性は-102bp以下を含むミュータントによって与えられた。前二者に対して線維芽細胞では、全長のプロモーターには活性がなく、-80以下を含むミュータントにより、basic promoter (あらゆる細胞での転写に必要と考えられるによる基本的な転写機構)による転写活性を検出した。これらの結果から、ヒトDMD遺伝子の筋型プロモーターに、骨格筋及び心筋に特異的な活性を与えているのは、-102bpから-80bpの間の存在しているcis-regulatory elementであると結論された。同部にはCArG box配列が存在した。そこで、CArG box列及びその周辺、更にbasic promoterとしての転写活性を与えている部位に系統的に塩基変異を導入して細胞導入実験によりその効果を検討した。CArG box配列及びその3'端に塩基変異を導入した場合に特に心筋細胞と骨格筋細胞では、転写活性の低下が観察された。しかし、線維芽細胞においては、転写活性の低下はなかった。一方、-80bp以下の部位の変異は、心筋細胞、骨格筋細胞から線維芽細胞に対して、共通した効果を示した。そこで、初心心筋培養細胞、骨格筋培養細胞、線維芽細胞から核抽出液を作製して、CArG box配列及びその周辺をプローブとするゲル・シフトアッセイを行ない、同部に結合する蛋白質によるバンドを二つ見出した。同じバンドは、初代心筋培養細胞のみでなくC2骨格筋細胞株や10T1/2線維芽細胞株からも検出されたことから、CArG box配列に結合する蛋白質は、組織特異的な因子ではないが、その結合が組織特異的に調節されているか、あるいは、組織特異的なco-activatorが存在している可能性が考えられた。
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