Project/Area Number |
07267208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久野 高義 神戸大学, 医学部, 教授 (50144564)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 分裂酵母 / カルシニューリン / 細胞質分裂 / 遺伝子 / 脱燐酸化反応 / MAP kinase |
Research Abstract |
分裂酵母においてカルシニューリン遺伝子を破壊した場合、酵母の増殖には影響がないが、細胞質分裂に著しい異常が認められる。さらに、培地中の塩濃度を高くすると細胞質分裂の異常がより強くなり、分岐した多核の状態になって、増殖も著しく抑制される。 細胞質分裂におけるカルシニューリンの機能を明らかにし、細胞質分裂に関連する遺伝子を分離、解析するため、カルシニューリン破壊による細胞質分裂異常を多コピーで抑制する遺伝子をスクリーニングした結果、数種類の遺伝子を分離できた。その1つは、ヒトのCL100から出芽酵母のMSG5まで広く種を越えて存在し、その構造が保存されているDual specificity phosphataseと相同性を示す新規の蛋白質をコードしており、これをdsp1^+と名付けた(第18回日本分子生物学会年会)。dsp1^+遺伝子破壊と高発現はいずれも致死ではないが、細胞質分裂異常と思われる形質変化をもたらした。また、dsp1^+遺伝子はカルシニューリン遺伝子と合成致死性を示し、細胞増殖における必須機能を共役する事が示された。 新規のMAP kinase homologであるpmk1^+遺伝子産物がdsp1^+遺伝子産物の基質であることが遺伝学的および生化学的実験により明らかとなった。即ち、カルシニューリン遺伝子破壊によりもたらされる高塩感受性は、pmk1^+遺伝子破壊により抑制され、大腸菌において発現されたdsp1^+遺伝子産物は燐酸化pmk1^+遺伝子産物を脱燐酸化した。また、pmk1^+遺伝子破壊は、著名な細胞質分裂異常をもたらした。 以上の結果は、カルシニューリンとMAP kinase系を含む燐酸化および脱燐酸化反応が細胞質分裂に深く関与していることを強く示唆している。
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