Project/Area Number |
07268101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡野 栄之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 靖之 横浜国立大学, 工学部, 助手 (80202050)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | mouse-Musashi-1 / RNA結合蛋白質 / RNA認識モチーフ / RNA結合能 / Northwesternブロット / CDスペクトル / 一次元NMR / 2次元^1H-^<15>N HSQC |
Research Abstract |
本研究においては、哺乳類中枢神経系の幹細胞に強く発現しているRNA結合蛋白質であるmouse-Musashi-1(m-Msi-1)のRNA結合能について検討し、m-Msi-1蛋白質について構造生物学的解析を行うことを目的とする。m-Msi-1蛋白質は、2つのRNA認識モチーフ(RRM;RNA Recognition Motif)を有し、それぞれ、N末側よりMMA,MMBと名付けている。Northwesternブロット法により、MMA,MMB蛋白質それぞれのRNA結合能について検討したところ、MMAのみがRNA結合能を有することが明らかとなった。本年度は、以下のようにMMA蛋白質の大腸菌からの精製方法の改良した。即ち、懸濁条件をTriHClpH9.0からリン酸ナトリウム緩衝液PH6.0へ変更することにより、全てのMMAの可溶化に成功核酸の共存硫安塩析と陰イオン交換クロマトグラフィーを前操作に加えることにより、全ての核酸の除去に成功した。さらに、以下のような構造生物学的な解析を行った。 (MMAおよびMMBタンパク質のCDスペクトル)MMAとMMBのCDスペクトルパターンは大きく異なっている。個々のドメインのRNA結合能とCDスペクトル、U1Aの2つのドメインのRNA結合能とCDスペクトルと酷似する。しかし、U1Aの論文中に記載されているC末端のRBDがRNAに結合しない理由がm-Msi-1の場合には当てはまらないことから、m-Msi-1ではU1Aとはべつの機構によりRNA認識または結合性が決められている可能性がある(またはU1Aの考察が違っているかもしれない)。(MMAの一次元NMRの測定)約1.5mMのMMAを20度で一次元NMR測定した。8-10ppm付近にαヘリックス等の二次構造により溶媒と交換しない主鎖のアミドプロトンやトリプトファンの側鎖のアミノプロトンのシグナルが強く検出されていることとβシートを構成するアミノ酸のαプロトンに特徴的な低磁場シフトしたシグナルが5-6ppm付近に見られることから、αヘリックスやβシートなどの二次構造を形成していることがわかった。(MMAの^<15>N安定同位体標識の成功と2次元^1H-^<15>N HSQCの測定)0.4%[^<15>N]NH4Clと0.2%D-glucoseを含むM9培地でMMAタンパク質を発現させて、^<15>NラベルされたMMAタンパク質を得ることに成功した。これを濃縮し2次元^1H^<15>N HSQCを測定した。その結果、^1Hの化学シフトが6-10.5ppm、^<15>Nの化学シフトが100-132ppmの範囲でピークが全体的に分散しシャープであることからMMAが、構造を形成していることがわかった。また、得られてピークが充分に分散しており、ピークの数がMMAの主鎖のアミド結合(84個)と側鎖のアミノ基(10×2=20個)の数を足したものとほぼ対応したのでMMAが均一に^<15>N標識されていることが確認できた。これらのことはこれまで解析が行われているRBDのなかでも(U1A,hnRNPD等)、構造解析がし易いサンプルであることがわかった。
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