ストローマ細胞由来未熟B細胞刺激因子(PBSF)の作用機構と生理的意義
Project/Area Number |
07269210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊谷 仁 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (80161412)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | B細胞初期分化 / ストローマ細胞 / インタクリン / 骨髄 / エレーク / 遺伝子ターゲティング / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
骨髄におけるB細胞の初期分化は、ストローマ細胞との相互作用に大きく依存している。B細胞支持能力のあるストローマ細胞は、IL7やSCF等の因子を産生するが、これらの因子だけでは、B細胞の初期分化を説明することが出来ない。昨年度までに、我々は、マウスストローマ細胞より、プレB細胞を増殖させる活性を指標にして、新たなプレB細胞刺激因子(PBSF)を単離した。その結果、PBSFはインタークリンファミリーに属する可溶性因子で、IL7存在下でプレB細胞の増殖を相乗的に支持することが明らかになった。しかし、PBSFがB細胞分化に必須の分子であるのか、in vivoのB細胞初期分化にどのような寄与をしているのか等は不明のままであった。1995年度の本研究では、PBSFの生体内での機能を解析するために、PBSFを欠損したマウスを、ES細胞を用いたgene targetingで作成した。変異PBSF遺伝子をホモ接合体で持つマウスは、ほとんどが胎生致死であり、生まれても一時間以内に死亡することが判った。また、PBSF欠損マウスは同じ胎児期週令の野性型マウスに比し有意に体重が低く、種々の臓器の発生異常も同時に観察された。さらに、変異マウスの胎児骨髄や肝臓においては、B細胞が選択的に欠損していることが、FACS解析やコロニーアッセイから明らかになった。これらの結果は、PBSFがB細胞初期分化に必須の分子であることを証明しただけでなく、個体の発生分化あるいは、生体の恒常性維持においても重要な役割を果している分子であることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)