Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Research Abstract |
巨核球の多倍数体化の機序を解明するため,第一段階としてヒドロキシウレア(HU)による巨核球系細胞株CMKの同調培養系を確立し,以下の結果を得た.CMKはPMAの存在下で増殖が抑制され,巨核球の分化を強力に誘導するが,前以てHUでG1/S期に同調したCMKでは,培養開始時(0時間)にPMAを添加するとG2期(6-8時間後)に,13時間後(G1早期)に添加するとG1後期(添加後6-8時間)に一過性に細胞周期が停止した.この細胞周期の停止に一致して細胞周期調節因子として知られるサイクリンA,B,D1のdown regulationが認められた.いずれの場合も同時に巨核球の分化マーカーである血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIa発現が強力に誘導されたことから,GPIIb/IIIa発現は,巨核球細胞周期の停止と密接に関連することが推測された.ノーザンブロット解析では,非刺激CMKに発現しているGATA-1が細胞周期に同調して変動し,S期とG1後期に発現が上昇した.S期早期(0時間)にPMAで刺激すると,刺激後6-10時間の時期にGATA-1発現が非刺激対照細胞に比し著明に亢進した.さらにG1早期(培養13時間後)に刺激すると,22-26時間の時期にGATA-1発現が亢進し,いずれの時期もGPIIb/IIIa発現が強力に誘導された.これらの結果から,細胞周期特異的なGATA-1発現は,GPIIb/IIIa発現すなわち巨核球分化に重要な役割を果たすことが示唆された.これらの実験と並行して,巨核球系分化因子の探索を続けていたが,最近,ヒト未分化甲状腺癌細胞株培養上清から,新規蛋白を純化し,遺伝子クローニングにもほぼ成功し,発表準備中である.
|