トランスジェニックマウスを用いたp210^<bcr/abl>の機能解析
Project/Area Number |
07269221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
本田 浩章 自治医科大学, 医学部, 助手 (40245064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間野 博行 自治医科大学, 医学部, 講師 (90240704)
堺 隆一 自治医科大学, 医学部, 助手 (40215603)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | Ph^1染色体 / p210^<bcr / abl> / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
Philadelphia染色体(以下Ph^1染色体)は、慢性骨髄性白血病(CML)の約95%、急性リンパ性白血病の10-20%に認められる転座型染色体異常である。これは9番染色体との相互転座t (9; 22) (q34; q11)により生じ、この結果9番染色体上のc-abl遺伝子と22番染色体上のbcr遺伝子との融合遺伝子産物p210^<bcr/abl>が産生される事が病態の本質であると考えられる。我々はメタロチオネインをプロモーターとして用い、p210^<bcr/abl>のトランスジェニックマウス(以下MTp210^<bcr/abl>)を作製した。得られた6匹のファウンダーマウスのうち2匹に白血病の発症を認め、そのうち1匹から子孫に再現性良く白血病を発症する1ラインが確立された。しかし、白血病を発症するのは特定の1ラインのみであり、また発症する白血病は表面抗原及び遺伝子再構成による解析では全てT細胞性白血病に分類される。この特定の1ラインにのみ白血病が再現性良く起こる原因、及び発症する白血病が全てT細胞系である原因を導入したp210^<bcr/abl>の発現の組織分布の点から検討した。その結果、白血病を発症しないラインでは脳、腎臓といった非造血組織でのみp210^<bcr/abl>の発現が認められたのに対し、T細胞性白血病を発症するラインでは非造血組織である肺、心臓、肝臓、腎臓と共に造血組織である胸腺にp210^<bcr/abl>の高い発現を認めた。この結果は、胸腺における高いp210^<bcr/abl>の発現が繰り返すT細胞性白血病の原因となっている事を示唆すると共にp210^<bcr/abl>の生体内における造腫瘍性は造血組織特異的である事をin vivoの系を用いて初めて証明したものと言え、Ph^1染色体が血液系腫瘍に限って認められるという実際の臨床データにモデルマウスの面から根拠を与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)