Project/Area Number |
07272101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 教授 (30025655)
樋野 興夫 癌研究所, 実験病理部, 部長 (90127910)
前田 盛 神戸大学, 医学部, 教授 (50030911)
志佐 湍 埼玉県立がんセンター, 病理部, 副部長 (90073121)
杉山 武敏 滋賀県立成人病センター, 総長 (20030851)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥14,700,000 (Direct Cost: ¥14,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥14,700,000 (Direct Cost: ¥14,700,000)
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Keywords | Ekerラット / 腎臓 / LECラット / 肝炎肝癌 / ウイルソン病 / 結節性硬化症 / DMBA白血病 / PNUリンパ腫 |
Research Abstract |
当班においては各班員固有のラット発がん系を用いて研究を行い、いくつかの大きな成果が得られた:遺伝性腎癌発症Ekerラットにおける腎癌の原因遺伝子はヒト結節性硬化症TSC2遺伝子と相同であこと、Ekerラットではこの遺伝子内にレトロトランスポゾンが挿入された突然異変であること、さらにTsc2は癌抑制遺伝子あることが分かった。Ekerラットは腎癌発症のみならずヒト結節性硬化症に有用なモデルとして新たな展開をみている。また、肝炎・肝癌発症LECラットの肝炎の原因遺伝子はウイルソン病WND遺伝子と相同であり、このラットではWND遺伝子の銅輸送性ATPase領域の部分欠失が突然変異であることが分かり銅代謝異常および肝癌発症の機構解明に重要なモデルである。LECの肝癌発症には他の常染色体性劣性遺伝子が想定され、その単離に焦点が絞られてきた。また、DMBA白血病に特異的に見られるN-rasの変異はDMBA投与後極初期に起こるるが、この段階では白血病発症に至らずN-rasの野生型アリルの消失と変異N-rasアリルの量的効果が発症に深く関わっていることが示唆された。また、DMBA誘発皮膚癌、乳癌でも白血病と同様なH-rasの変異が見られることから、発癌過程の遺伝子変異には臓器特異性があること、また、N-ras変異がヒト白血病、MDSにも高率にみられることからもN-rasの生理的役割の解明がまたれ、ヒトのモデルとして重要である。Tリンパ腫においても発生や発症規定の遺伝子が同定され、それらの単離も射程内に入ってきた。いずれにせよ、癌にはその原因遺伝子さらに増殖の過程における種々の遺伝子の変異が絡んでおり、本邦で発展してきたラット実験癌の豊富な系は、これらの解明に重要な役割を果たすものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)