Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
転写因子PEBP2はDNA結合を担うαサブユニットおよびそれと会合してDNA結合を強めるβサブユニットからなるヘテロダイマーである.さらに,両サブユニットはいずれもその機能異常により類似の急性骨髄性白血病AMLをひきおこすことが明らかにされている.そこで本因子による発癌の機序を明らかにするために,その基礎として,αの機能的中核であるRuntドメインおよびその対となる分子機能特性について詳細なin vitro解析を進めた.その結果,αサブユニットのDNA結合活性はSH基の酸化還元を介する調節,即ちRedox制御を受けること,またその活性化状態はPEBP2α単独では非常に不安定であり数分以内に急速に失活することが分かった.βサブユニットはこの失活を防ぐとともに,DTTに対する濃度依存性を著しく軽減する効果を示した.βによるこの促進効果は,既知のDNA結合親和性上昇効果とは別個にかつそれと相乗して現れる.この発見により,βサブユニットの担う機能的意義に新しい側面が加えられた。 ,次いで,PEBP2αのRuntドメイン内に存在する2箇所のシステイン残基(Cys115,Cys124)のうち,どちらがRedox制御の標的となるかを決定するために,系統的な変異解析を行なったところ,両システイン残基は共に協調してRedox応答性を高めることが明らかとなった.これは従来Jun/FosやNF-kBなどで知られていた単一システイン残基によるRedox制御とは様相が異なることから,PEBP2αのRedox制御は新しいカテゴリーに属するものと考えられる.
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