Project/Area Number |
07273202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 茂樹 東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉沢 美季 東北大学, 医学部, 文部技官(教務職員) (50221669)
高橋 和広 東北大学, 医学部, 助手 (80241628)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 神経線維腫症 / ニューロフィブロミン / 神経堤細胞 / メラノサイト / メラニン / チロシナーゼ / チロシナーゼ関連タンパク / 転写 |
Research Abstract |
神経堤細胞の分化マーカーであるチロシナーゼファミリー(チロシナーゼ、TRP1、TRP2)に着目し、神経線維腫症1型(NF1)の原因遺伝子産物(ニューロフィブロミン)の未知の生理機能を探索した。その結果、ニューロフィブロミンが、メラニン合成系の律速酵素であるチロシナーゼと二つのチロシナーゼ関連蛋白(TRP1とTRP2)の遺伝子プロモーター活性を間接的に促進することを見いだした。ニューロフィブロミンによる転写活性化の程度は、TRP2遺伝子プロモーターで最も高く、メラノサイトにおける主な標的遺伝子が、TRP2遺伝子であることが示唆された。さらに、ニューロフィブロミンによるTRP2遺伝子の転写活性化に必要な71bpの領域を、転写開始点の上流345bpに見いだした。一方、ras GTPase活性化タンパク(GAP)およびニューロフィブロミンのGAP関連領域には、TRP2遺伝子の転写活性化機能を検出できなかった。従って、ニューロフィブロミンによる転写活性化作用が、必ずしもGAP活性に由来するものではないと考えられる。さらに、rasの過剰発現により、チロシナーゼファミリー遺伝子の転写が同程度に抑制された。TRP2遺伝子プロモーターを用いて解析した結果、rasによる転写抑制に必須な制御領域(-268〜-56)は、ニューロフィブロミン応答領域とは異なることが示唆された。 TRP2には、メラノサイトの前駆体であるメラノブラストや胎児能でも一過性に発現されるという特徴があり、カテコールアミン生合成系の中間代謝物質などの解毒への関与が推定されている。従って、ニューロフィブロミンが神経堤細胞の分化のみならず脳の正常な発達にも関与することが示唆される。事実、NF1には軽度の知的障害を伴うことが多く、その発症とTRP2遺伝子の発現との関連が興味深い。
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