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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
ホスホリパーゼDは受容体刺激により活性化され,ホスファチジルコリンを分解してホスファチジン酸やジアシルグリセロール,リゾホスファチジン酸生成を引き起こす重要な酵素である。この酵素は不飽和脂肪酸で活性化されるタイプと低分子Gタンパク質(ARF, Rho)で活性化されるタイプの2種類に大別される.我々ははじめて不飽和脂肪酸活性化酵素(分子量190K)をブタ肺ミクロソームから精製することに成功したが,本研究はその発展としてこれら二つのタイプのホスホリパーゼDのcDNAクローニングを行った.脂肪酸活性化酵素については精製酵素の部分アミノ酸配列を決定し,一致するヒト配列をデータベースのなかに見出した.分子量も精製酵素のそれに一致したので,cDNAの供与を受け発現を試みている.また酵母(S. cerevisiae, Sch. pombe)のARF活性化型酵素,ヒトのARF活性化型酵素PLD1,植物(ヒマ)の酵素のコンセンサス配列を用いてPCRを行いラット脳cDNAライブラリーから新しいcDNAクローンを得た.配列がヒトPLD1の配列と異なるので新しい低分子Gタンパク質活性化型酵素と思われる.現在までにホスホリパーゼDの活性化に関係すると報告された低分子Gタンパク質はARF, Rho, Ralであるので,得られた配列を大腸菌,動物細胞で発現させ活性化に必要なGタンパク質を同定したい.またホスホリパーゼDをブタ大腸粘膜のミクロソームから精製している過程で,阻害因子の存在が示されたので精製を行った.阻害因子を大腸粘膜のミクロソームからコール酸で可溶化され,イオン交換,キレートカラム,ゲル濾過,HPLCを用いてほぼ均一にまで精製した.このタンパク質はホスホリパーゼDの調節機構を考える上で重要と思われ,また臨床的な応用も考えられるのでクローニングを行い構造と機能を明らかにする予定である.
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