情報伝達におけるプロテインキナーゼCの消失の意義と機構の解析
Project/Area Number |
07273217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紘一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (80011948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
反町 洋之 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (10211327)
秋田 朗子 東京都, 臨床医学総合研究所, 研究員 (40124432)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | プロテインキナーゼC / カルパイン / プロラクチン / 情報伝達 / ダウンレギュレーション |
Research Abstract |
プロテインキナーゼC(PKC)は生体内の情報伝達を担う中心的なリン酸化酵素で、細胞増殖を初めとする基本的な生命現象と深く関係している。この酵素は、合成された後ダウンレギュレーションという機構で働きを失うことが、幾つかの例で示されているが、その正確な過程は未知のままであった。本研究では、下垂体由来のGH_4C_1細胞で認められるPKCεのダウンレギュレーションが、細胞内カルシウム依存性蛋白分解酵素カルパインによって行われていることを初めて証明した。 GH_4C_1細胞をカルパインの特異的阻害剤であるALLNalとカルパスタチンペプチドで処理したときにのみPKCεの細胞内からの消失(ダウンレギュレーション)が抑制された。このとき同時に、細胞質に存在していたカルパインは細胞膜に移行していることも明らかになった。 GH_4C_1細胞は、TRHの刺激によってプロラクチンを分泌することが知られている。ALLNalによってPKCεのダウンレギュレーションを阻止すると、新たに合成されたプロラクチンの分泌が阻害された。このときプロラクチンのmRNA量は減少せず、むしろ増加している位であったので、PKCεのダウンレギュレーションの阻害は蛋白質の翻訳レベルの制御に直接影響することを示している。これはPKCεのダウンレギュレーションが生理的刺激による細胞機能において、単にPKCを消失させるだけでなく、この消失が情報伝達を積極的に進めるのに必要であることを示唆する最初の結果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)