レセプターチロシンキナーゼの恒常的活性化と腫瘍原性に関する研究
Project/Area Number |
07273237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | レセプターチロシンキナーゼ / C-kit / 活性化変異 / 腫瘍 / 造血幹細胞 / マスト細胞 / 白血病 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
レセプターチロシンキナーゼ(RTK)の一種であるc-kit RTK(KIT)は赤芽球、巨核球、マスト細胞の形質を有する白血病細胞株やほとんどのヒト急性骨髄性白血球(AML)細胞に発現されている。一般に、KITはリガンド依存性に活性化されるが、ヒト、ラット、マウス(2株)の計4種の腫瘍性マスト細胞株にc-kit恒常的活性化点突然変異が認められた。これらc-kit活性化変異は、jaxtamembrane領域にも認められたが、主としてキナーゼ領域内のAspコドン(マウスではコドン814)に集中していた。jaxtamebmrane領域の活性化変異Val^<559>→Gly(G559)、ならびに、キナーゼ領域内の活性化変異Asp^<814>→Val(V814)を有する変異c-kit遺伝子をマウスIL-3依存性細胞株に導入し細胞増殖について検討すると、KIT^<G559>あるいはKIT^<V814>を発現した細胞株は造血因子非存在下でも活発に増殖した。さらに、上記細胞株をヌードマウスの皮下に移植すると、早期より腫瘍を形成しマウスは白血病化し死亡した。また、正常ならびに変異c-kit遺伝子を導入した骨髄細胞をマウスへ移植すると、野性型KITを導入した細胞を骨髄移植しても全く白血病の発症が認められなかったが、KIT^<G559>では10匹中1匹、KIT^<V814>では10匹中6匹のマウスに急性白血病の発症が認められた。 KITはリガンドが結合することにより二量体化し、細胞内にシグナルを伝達することが知られている。活性化変異によるKITの二量体化への影響を検討すると、jaxtamembrane領域内の変異であるKIT^<G559>ではSCF刺激前より二量体化が認められた。しかし、キナーゼ領域内の変異であるKIT^<V814>の場合は、SCF刺激前では細胞外での二量体化は認められなかった。さらに、KITにおけるAsp^<814>は活性化変異の集中部位であることより、Asp^<814>のKITの機能に及ぼす影響についても解析した。Asp^<814>を欠失させた変異KITではリガンド刺激後もほとんどチロシンキナーゼ活性が認められなかった。しかし、Asp^<814>を他の19種のアミノ酸に置換すると多くの場合恒常的に活性化されており、Asp^<814>がKITの活性制御に重要であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)