改良SCIDマウスを用いたヒト良性腫瘍の特性と悪性化に関する研究
Project/Area Number |
07273240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 裕夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20237275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 和泰 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
根津 理一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70228287)
神崎 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (00263278)
本行 忠志 大阪大学, 医学部, 助手 (90271569)
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | ヒト良性腫瘍 / 改良SCIDマウス / 悪性化 / 形態の維持 / 機能の維持 / 放射線 / 化学発がん物質 |
Research Abstract |
1.SCIDマウスの改良と開発および量産化:ヒト正常組織、良性腫瘍の生着、増殖しやすい改良型SCIDマウス(C.B17/N-scid/scid)の量産化と、新たに、C3H/HeJ、C57BL/6J-bg^Jマウスへのscid遺伝子の導入を行い、T、B両細胞機能に加えてマクロファージ、NK機能の欠如したマウスを作製した。 2.SCIDマウスでのヒト良性腫瘍の増殖と悪性化:ヒト大腸ポリポ-シス、子宮内膜増殖症、甲状腺濾胞腺腫および耳下腺腺腫などのヒト良性腫瘍を改良SCIDマウスに皮下移植し、3年にわたって継代・維持できるようになった。継代過程での自然悪性化、DMBA投与による悪性化の誘導実験を行った。自然悪性化に関しては、大腸ポリ-プの1例が4代継代途中で巨大な腫瘤を形成した。組織学的には繊維肉腫であったが、C.B17-^<+/+>マウスにも継代可能であり、またマウスK-rasプライマー増幅でき、ヒトK-rasプライマーで増幅できないことにより、ヒト大腸ポリ-プ移植部に発生したマウス由来の繊維肉腫と断定した。6例の大腸ポリ-プを100μg/mlのDMBA溶液で20分間処理することを継代ごとに繰り返したところ、4例に悪性腫瘍が発生した。しかし、いずれも腺癌ではなく、繊維肉腫であり、マウス由来のものであった。 3.ヒト良性腫瘍のうち機能性腫瘍(胞状奇胎、副甲状腺腫瘍)の継代移植と、SCIDマウス尿中HCG、血中PTHの測定に成功した。1年以上にわたってホルモンを産生していることがわかった。 4.ヒト良性腫瘍の悪性化過程に関与するがん遺伝子とがん抑制遺伝子:移植耳下腺腺腫、甲状腺濾胞腺腫および大腸ポリ-プの継代過程で定期的に移植腫瘍をbiopsyし、Cold-SSCP法、direct sequence法により、K-ras、p53遺伝子の変異を経時的に検出したところ、悪性化はしていないのに、高率にK-ras、p53の突然変異が発生していた。またLOHも観察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)