MAPキナーゼの恒常的活性化がヒトがん発生の直接的な原因となる可能性の検討
Project/Area Number |
07273260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 謙一郎 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40025713)
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
佐藤 仁彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00240945)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 細胞がん化 / ヒトがん細胞株 / MAPキナーゼ / MAPキナーゼ・キナーゼ / MAPキナーゼカスケード / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
1.種々のヒトがん細胞株(130株)の対数増殖期における41-kDa/43kDa・MAPキナーゼの活性レベルを、それらのチロシンリン酸化の程度と併せて解析した。その結果、様々な組織由来のがん細胞株において、ヒト二倍体繊維芽細胞と比較して高いレベルのMAPキナーゼ活性を認めたが、特に腎臓、脾臓、大腸、肺、卵巣、さらに造血器系より由来した細胞株において高頻度(50%前後)に、MAPキナーゼのチロシンリン酸化の亢進に伴う恒常的活性化が起こっていることを見い出した。一方、食道、胃、肝臓、前立腺などより由来した癌細胞では、顕著にMAPキナーゼ活性が上昇している例はほとんど認められなかった。 2.MAPキナーゼの恒常的活性化が認められたがん細胞株においては、MAPキナーゼカスケードにおいてMAPキナーゼの下流に位置するp90^<RSK>の活性が常に上昇していること、さらにその上流に位置してMAPキナーゼの機能を直接制御しているMAPキナーゼ・キナーゼ(MEK)の機能もその大部分の細胞株において同時に恒常的に上昇していることを見い出した。また、各がん細胞が由来した腫瘍組織の分化度(悪性度)とMAPキナーゼ活性レベルとの間には、有意な相関が認められた。 3.手術で摘出したヒト腎臓腫瘍組織中のMAPキナーゼ活性についても同様に解析した結果、25例中12例という高い頻度でMAPキナーゼの活性レベルが恒常的に上昇していることを見い出し、さらにその内の9例においては同時にMEKの恒常的活性化が起こっていることを明らかにした。また、ヒト大腸癌、肺癌組織においてもMAPキナーゼの恒常的活性化が認められる症例を幾つか見い出し、実際のヒトがん発生においてMAPキナーゼの恒常的活性化が重要な要因となっている可能性を提示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)