遅延型増殖抑制を起こす転写因子HIC-5遺伝子の機能
Project/Area Number |
07273266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 悟 昭和大学, 薬学部, 助手 (20159502)
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60054045)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 細胞分化 / HIC-5遺伝子 / DNA結合性 |
Research Abstract |
従来の我々の研究からTGFβ_1およびH_2O_2で誘導されるHIC-5遺伝子産物はLIMモチーフに属するZnフィンガーを持ちDNAに結合能を有すること、またこの強制発現により不死化細胞の老化を誘導することが明らかとなっている。本研究ではまず、In situ hybridizationによりHIC-5遺伝子の成熟および胎児マウス組織における発現を検討したところ、ある種の細胞の分化に関与している可能性が示された。そこでNGFで神経細胞様に分化することが知られているラット副腎髄質褐色細胞腫由来細胞PC12やマウス筋芽細胞C2C12にHIC-5センス発現プラスミドを導入し分化への関与を検討した。PC12細胞ではコントロールに比べ神経様突起の進展が見られ、C2C12細胞ではMyosin heavy chainを分化マーカーとしたとき分化が促進される傾向が見られた。 さらに、細胞の分化への関与とhic5蛋白質のDNA結合特異性を解析した。HIC-5蛋白質の結合DNA配列を明らかにする目的で大腸菌で作製したHIC-5蛋白質とマウスゲノムDNA(制限酵素で200-300bpに切断したもの)を反応させた後、HIC-5タンパク質に対する抗体を用いてHIC-5蛋白質と結合した断片を回収し、PCRで増幅したこの操作を繰り返し、HIC-5蛋白質結合断片を濃縮し、クローン化した断片について、south-western法、gel shift assay法により結合性を確認した。得られた7つの結合断片の配列を決定したところ6つが数十bpにおよぶ(A)_nCから成る特徴的な繰り返し配列を共通に含んでいた。さらにDNaseI foot printingにより断片中のHIC-5蛋白質結合部位を同定したところ(A)_nC配列部分であることが示唆された。 このようにHIC-5遺伝子は老化や細胞分化といった非可逆的な増殖停止機構に関与している可能性があり、今後この点をその産物のDNA結合および他の因子との相互作用の面からさらに明らかにしていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)