がん細胞分化機構の分子生物学的解明と分化誘導療法の臨床応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07274107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大野 竜三 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 良夫 埼玉県立がんセンター, 化学療法部, 部長 (70142114)
武藤 泰敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20010069)
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90164798)
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50217634)
垣塚 彰 京都大学, 医学部, 助教授 (80204329)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
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Keywords | レチノイン酸 / 分化誘導療法 / 急性前骨髄球性白血病 / Am-80 / 細胞内レチノイン酸結合蛋白 / ユビキチン・プロテアゾーム / トランスジェニック・マウス / レチノイドアンタゴニスト |
Research Abstract |
レチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法は急性前骨髄球性白血病(APL)のスタンダード治療となったが、ATRA治療の再発例には20%以下の再寛解率しか示さない。班員が創製した新レチノイドAm-80は細胞内レチノイン酸結合蛋白と親和性のないことより、これが耐性化の原因となっているATRA不応例には有効性が期待できる。そこでAm-80をATRA後再発APL12例に使用した所6例に完全寛解を得た。ATRA後再発症例から得たAPL細胞の抗PML抗体染色パターンによるin vitroの検討でも、ATRAでは分化しないがAm-80では分化する症例があり、臨床効果とも相関し、ATRA不応例に有効であることが判明した。APL細胞株NB4にATRAを添加すると、APLの原因であるPML-RARA蛋白は6時間以降に減少し、12時間以降にPMLの細胞内局在の正常化を認めるがATRA耐性株では認めない。PML-RARA蛋白の減少はPML-RARA遺伝子転写抑制によるものではなく、ユビキチン・プロテアゾーム阻害剤により阻害された。PML-RARA蛋白のPML蛋白に対するドミナントネガティブ変異性がATRAにより解除される理由として、ATRAと結合したPML-RARA蛋白はユビキチン・プロテアゾーム系による分解を受けやすくなり、PML蛋白/PML-RARA蛋白比率が減少することが考えられた。甲状腺ホルモン不応症に同定されたドミナント・ネガティブな作用を示すアミノ酸変異をRARに導入し、変異RARの正常RARの作用を抑制効果を確認後、トランスジェニック・マウスを作成し、哺乳動物の正常な固体発生にRAの作用が不可欠であることを示した。また、分子設計により強力なレチノイドアンタゴニストならびにRAR-β選択的アンタゴニストならびにレチノイドシナ-ジストの創製に成功した。後者の開発はレチノイドの投与量を大幅に低減し得ることを示唆した。また、多くの胃癌細胞においてレチノイン酸受容体が発現され、レチノイドによる増殖抑制と分化誘導の可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)