マウス乳癌ウイルスにコードされるスーパー抗原の腫瘍と宿主相関での意義
Project/Area Number |
07274230
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90158402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣松 賢治 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252237)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
|
Keywords | スーパー抗原 / マウス乳癌ウイルス / 感染 / MHCクラスII |
Research Abstract |
マウスにおいてマウス乳癌ウイルス(mouse mammary tumor virus:MMTV)の末端反復配列(long terminal repeat:LTR)にコードされる遺伝子産物が、スーパー抗原として特定のT細胞レセプター(T cell receptor:tcr)Vβ領域を有するT細胞を活性化させることが明らかとなっている。しかしながら、MMTV感染症の病態形成や発癌機構でのスーパー抗原の生物学的意義については不明な点が多い。本研究では、MMTVにコードされるスーパー抗原のMMTV感染症成立および乳癌発症における役割を明らかにする目的とした。IE依存性Vβ2特異的スーパー抗原をコードするMMTV(II-TES2)をC57BL/6(IE)マウスに単独で投与しても感染は成立しなかったが、IE非依存性Vβ14特異的スーパー抗原をコードするMMTV(II-TES14)を同時に投与すると、Vβ2T細胞の増殖は見られないにもかかわらず、MMTV(II-TES14)とMMTV(II-TES2)ともに感染が成立した。IE依存性のスーパー抗原をコードするMMTVはIE陰性のマウスには感染しないことからスーパー抗原によるT細胞の活性化が感染の成立に必須であることが分かった。しかし、IE非依存性のMMTVとの複合感染によってIE依存性MMTVもIE陰性マウスに感染することは以下のように説明できる。2種類のMMTVはまずB細胞等の抗原提示細胞に感染してプロウィルスとして宿主のDNAに組み込まれる。MMTVのコードするスーパー抗原はクラスIIに結合して細胞表面に提示される。スーパー抗原を認識したT細胞はサイトカインやCD40Lを介して感染B細胞を増殖させ、MMTVの感染が進展する。おそらくIE依存性MMTVはIE非依存性MMTVによって活性化されたT細胞の助けをかりて感染を成立させるのであろう。MMTVは混合感染によって宿主の巾を広げると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)